これまでに叩き出したタイム、そして箱根駅伝のMVPにあたる「金栗四三杯」を留学生として初めて受賞したという事実だけでなく、上体を捻りながら腕を振り、脱力しながらも大きなストライドで跳ねるように進む走り方は、彼にしかできないもの。何より、187センチの長身(オツオリ170センチ、マヤカ165センチ、モグス165センチ、ダニエル174センチ)が、他の追随を許さない別格の威圧感を放っている。

 この「史上最強」に付け足すとすれば、やはりチームの「箱根優勝」だろう。3年生となった今年は、出雲駅伝で東京国際大の初出場初優勝に貢献(6区で区間賞)したが、全日本大学駅伝では自身は3区で区間賞の走りもチームは5位だった。新春の箱根路でヴィンセントが果たしてどのような形で、どのような“爆走”を披露するのか。「史上最強」の名に相応しいレースを必ずや、見せてくれるはずだ。