子どもの遊ぶゲームは、デジタルが主流だけど……
子どもの遊ぶゲームは、デジタルが主流だけど……

 うつ病を克服し、偏差値29から東大に合格した杉山奈津子さんも、今や小学生の男の子の母。日々子育てに奮闘する中でとり入れている心理テクニックや教育方法をお届けします。

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 以前、「小学生にとって算数を現実に落とし込んで学ぶ機会があまり存在しない」という記事を書きました。

 しかし先日、息子と遊んでいたときに、「これだ!」というものに出合ったのです。

■カードゲームで、計算をくり返す

 それは何かというと、デジタルではなく、アナログのカードゲーム。

 私たちがやったものは、「ポケモン」のカードを使ったものでした。

 きちんと説明書を読まずにやったので一般的なやり方とは少し違うかもしれませんが……ルールは、手持ちのカードの中からそれぞれキャラクターを6体程度選び、1枚を前に出して、自分と相手が交互に攻撃していく、という簡単なもの。

 強いダメージをくらってしまい、カードに書かれたHP(ヒットポイント)の数値を超えてしまうと、そのキャラクターは「きぜつ」して、使えなくなってしまいます。

 ただ、弱っていてもギリギリ生きていれば、後ろに引っ込めて、まだたくさんHPが残っているキャラクターを前に出してバトルができるのです。

 この、ダメージをくらうときや与えるときに、毎回毎回、とにかく計算をするのです。

 たとえば30ダメージを与えるキャラに2回攻撃されれば、合計で60ダメージをくらいます。

 そこでダメージの数だけ、小さな数字の紙をカードの上に置いていくのですが、その数字の紙が素晴らしい。

 実は数字の紙には、10と50と100の3種類しかありません。そのうえ、1種類につき、15枚程度しかないのです。

 ですから、30ダメージをくらっているときに、さらに30ダメージが加わり、合計60ダメージになる場合、10のカードを6枚置いていくようなことをしていると、すぐに数字カードがなくなって遊べなくなってしまうのです。

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杉山奈津子

杉山奈津子

杉山奈津子(すぎやま・なつこ) 1982年、静岡県生まれ。東京大学薬学部卒業後、うつによりしばらく実家で休養。厚生労働省管轄医療財団勤務を経て、現在、講演・執筆など医療の啓発活動に努める。1児の母。著書に『偏差値29から東大に合格した私の超独学勉強法』『偏差値29でも東大に合格できた! 「捨てる」記憶術』『「うつ」と上手につきあう本 少しずつ、ゆっくりと元気になるヒント』など。ツイッターのアカウントは@suginat

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