JJワットと写真当時はガールフレンドだったキーリアオハイと2020年に結婚。彼女はサッカー選手で同じアスリート(写真/gettyImages)
JJワットと写真当時はガールフレンドだったキーリアオハイと2020年に結婚。彼女はサッカー選手で同じアスリート(写真/gettyImages)

 今年のドラフトでTEとしては史上最高位となる全体4位でファルコンズに指名されたカイル・ピッツは195センチ、111キロの体格でありながら、40ヤード走で4秒44のタイムを持っている。ヘビー級格闘家並みのサイズで陸上選手並みのスピードを兼ね備えているのが、NFLのトップクラスなのだ。

 ディフェンスの花形であるパスラッシャーもパワーとスピードを兼ね備えたモンスター揃い。今年3月に2年3100万ドルでカーディナルスと契約したディフェンスエンド(DE)J.J.ワットは現役屈指のパスラッシャーだが、オフェンスでタイトエンド(TE)として起用されることもある「二刀流プレーヤー」でもある。

 今年の5月にはMLBで投打の二刀流として活躍する大谷翔平選手についてSNSに投稿。「たくさんの人たちが大谷翔平のことを話題にしているが、まだまだ語り足りていない。彼が野球で成し遂げていることは常軌を逸している」と絶賛して話題になった。

 ちなみにこのワットもプロ入り前の2011年にスカウティングコンバインに参加。当時から身長196センチ 、体重131キロの巨漢ながら40ヤード走4秒84、垂直跳び94センチ、立ち幅跳び305センチ、102キロのベンチプレスを34回と圧倒的なフィジカルを証明していた。余談だが子供の頃はアイスホッケー、学生時代には野球や陸上(砲丸投げ)などもプレーしていたという。

 日本人のNFL入りの挑戦は、現在のところ河口正史(ラインバッカー)、木下典明(ワイドレシーバー)がNFLチームのキャンプに招集されたりプレシーズンマッチに出場したのが最も近づいた例。果たして今後、フィジカルという分厚い壁を乗り越えてNFLの大舞台に立つ日本人選手は現れるのだろうか。(文・杉山貴宏)