アイナ・ジ・エンド(撮影/写真部・高橋奈緒)
アイナ・ジ・エンド(撮影/写真部・高橋奈緒)

“楽器を持たないパンクバンド”BiSHの活動と並行し、ソロとして活躍中のアイナ・ジ・エンド。唯一無二のハスキーな歌声が多くの人を魅了し、今年1月に公開した「THE FIRST TAKE」(ファーストテイク)の動画は2曲で計1300万回再生を超えるなど、大きな反響があった。今年2月にソロ活動を本格始動し、9月からは3カ月連続で新曲をリリース。BiSHや創作への思いを交えつつ、本人に怒涛の1年を振り返ってもらった。

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――アイナさんの魅力の一つはまずその歌声だと思います。自分の歌声をどのように捉えていますか。

私は自分の声を全然好きじゃなかったですし、正直今も、自分の声に自信がない。昨日も歌を練習していたんですけど、自分の声のここが納得いかないみたいなポイントがめちゃくちゃあって。少し前まではエッジの利いた声色を練習して、楽器のように歌う声を自分的にも気に入っていたんですけど、ある時から、それも作り物だなと思えてきちゃって。もっと現実的で、リアルな声が届くんだろうなって思って、今は普通にしゃべっている声や鼻歌のように、力まずナチュラルな声色を聞いてもらいたいなと思っています。

――今年1月にはYouTubeでの一発録り動画「THE FIRST TAKE」に挑戦し、「オーケストラ」が1000万回再生を超えました。

意気込まずに、感じたまま歌っていました。自分で言うのも気持ち悪いんですけど、あのファーストテイクの「オーケストラ」は、何かが降りてきた感じがあるというか、奇跡が起こったのだと思っています。二度と同じ歌い方はできないし、いろんな奇跡が揃ったからできた。幸せなことですよね、本当に良かったです。

――歌う前にはBiSHのメンバーへの思いも語っていました。BiSHを考えながら歌っていたのでしょうか。

そうですね。考えているというか、浮かんでくるといった感じで。歌いながら、泣きそうになりました。

――「オーケストラ」という楽曲はどのような存在なのでしょうか。

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歌も作詞作曲も「ダンスが基盤」