巨人では結果を残せず苦しんでいるが、日本ハムでは在籍11年間で盗塁王1回(13年)、ゴールデングラブ賞4回(12~14、16年)を獲得するなど、球界屈指の外野手にまで成長した。年齢は来年の1月に35歳となり若くはないが、まだまだ活躍を見込めるはず。様々な経験をした選手でもあり、周りの選手に与える影響などを含め、所属するチーム次第では貴重な存在となれる可能性は十分にある。

「多くの球団が興味を持っているが、特にロッテは獲得したいのではないか。今季は優勝争いをしているが、常勝球団を作るには野手陣の底上げが急務。左打者は育っているが右打者はレアードと中村奨吾の2人に頼った状態。陽が加われば打線に厚みができるだけでなく、今以上に足も使えるようになり得点力が上がる。守備もセンターで固定できればロッテ外野陣は球界トップクラスになります」(在京球団編成担当者)

「営業面から考えるとメリットしかない。日本ハムの二軍施設・鎌ヶ谷は(ロッテの本拠地と同じ)千葉県にある。二軍時代の陽は人気者だったので、当時からのファンが球場(ZOZOマリン)へ足を運んでくれる可能性がある。またコロナ禍が収まってからのインバウンド需要も期待できる。成田空港と台湾間は多くの航空会社が便を飛ばしている。日本へ入国した際、すぐ近くにある幕張の球場で自国の英雄がプレーしていたら足を運ぶはず。そして台湾からのテレビ放映権料による収入も当然見込まれる」(在京テレビ局スポーツ担当)

 安田尚憲、藤原恭大など、若手野手が育ちつつあるが、その多くが左打者。打線のバランスを考えれば実績ある右打者獲得に動いてもおかしくない。そして荻野貴司、マーティン、藤原らの顔ぶれに陽が加ることで外野陣の競争は激しくなり、チーム力アップにつながる。そして各球団、コロナ禍の影響で経営状況は悪化の一途を辿っている。陽を営業面でも最大限活用するのは現実的な戦略でもある。

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