大谷翔平所属のエンゼルス、他球団に“劣る”補強戦略 今後は抜本改革も必要か

2021/07/20 18:00

 2013年にワールドシリーズを制覇したレッドソックスは、翌14年に主力の移籍や故障、不振などで一転して低迷した。すると球団はジョン・レスター投手やジョン・ラッキー投手、ジョニー・ゴームズ外野手ら主力を次々と放出。低迷が続いた15年もマイク・ナポリ一塁手らの放出が続き、結果として2年連続で地区最下位に沈んだ。

 しかしその間にムーキー・ベッツ外野手やザンダー・ボガーツ内野手ら生え抜きや、トレードで獲得したエドゥアルド・ロドリゲス投手ら若手が台頭。さらにクリス・セール投手ら実績ある選手らの補強も当たり、18年には早くもワールドシリーズ王者に返り咲いた。

 逆の例を挙げるならばマーリンズ。長期的な展望など投げ捨てたかのようにとにかく大金を費やして大物選手をかき集めることで、1997年と2003年にワールドシリーズ制覇を果たした。しかしいずれも優勝直後から次々と主力を手放す「ファイアーセール」を敢行し、あっという間にチームは解体。当然の帰結として低迷期に入ったが、ワールドシリーズ優勝という目標はとにもかくにも達成したのだから、その観点で言えば成功として差し支えはないだろう。

 話をエンゼルスに戻すと、エンゼルスのここ数年の補強で大物獲得と呼べるのは19年オフに7年総額2億4500万ドルで契約したアンソニー・レンドン三塁手くらい。投手陣はリッキー・ノラスコやバド・ノリス、コディ・アレン、トレバー・ケーヒル、フリオ・テヘラン、ホセ・キンタナ、ディラン・バンディら陰りが見え始めた中堅クラスを獲得しては期待外れに終わることを繰り返している。

 その間のドラフト指名もパッとせず、トレードでの有望株放出も重なった結果、エンゼルスの傘下マイナーチームは弱体化。今季開幕前にMLB公式サイトが出したファームシステムランキングでは25位だった。

 ちなみに26位以下はアスレチックス、ロッキーズ、ブルワーズ、アストロズ、ナショナルズ。このうちアスレチックスとブルワーズ、アストロズは毎年安定した成績を残し続けており、ナショナルズは19年にワールドシリーズを制覇したばかり。ロッキーズも17年から2年連続でプレーオフに進出している。つまりランキング下位の球団のうち、エンゼルスだけがプレーオフにも届かずファームに有望株も少ないという苦境にあるのだ。この事実は、エンゼルスが大物補強を目論んでも交換相手になり得る魅力的な若手が足りないということを意味している。

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近年の“会心”だったトレードは?

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