一方、ランキング上位は1位がレイズで、2位以下はタイガース、マリナーズ、マーリンズ、オリオールズ、パドレス、ブルージェイズと続く。育成と編成がずば抜けてうまく、大物選手抜きでもプレーオフを常に狙える位置につけるレイズは例外としても、近年は低迷して再建期を過ごしている球団は順調に若手有望株を集めていることが分かる。パドレスやブルージェイズなどはすでに低迷期を抜けて上昇モードに入った感もあるほどだ。

 今や現役屈指の若手スラッガーとして注目されるパドレスのフェルナンド・タティス内野手は、メジャーデビュー前のトレードでホワイトソックスから移籍した選手。その際にパドレスが手放した交換相手はメジャー通算100勝以上を挙げていたジェームズ・シールズ投手だったが、そのシールズは18年にア・リーグ最多の16敗を喫したのを最後にメジャーの舞台から姿を消している。パドレスにしてみれば会心のトレードだった。

 ブルージェイズも今季にオールスター初選出を果たすまでになった強打者テオスカー・ヘルナンデス外野手を17年途中のトレードでアストロズから獲得。このトレードでは青木宣親外野手もブルージェイズへ移籍し、交換相手も元オールスター左腕フランシスコ・リリアーノ投手だったことから日本ではヘルナンデスへの注目度は低かったが、当時からブルージェイズの本命がヘルナンデスであることは現地報道では周知の事実だった。

 現地19日終了時点で、エンゼルスは46勝47敗でア・リーグ西地区4位。首位アストロズからは10ゲーム差をつけられているが、ワイルドカード争いでは2位アスレチックスまで6.5ゲーム差となっている。

 地区優勝には届かずとも、故障離脱中のトラウトやレンドンが復帰して大谷が無双を続ければワイルドカードならあるいは……という希望を抱くかもしれないが、同地区のマリナーズならともかく、直接対決が少ない他地区のライバルたち(ブルージェイズ、インディアンス、ヤンキース)をごぼう抜きするのは容易ではない。

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エンゼルスにもドラスティックな補強が必要?