巨人・丸佳浩が5日に登録抹消され、ファームで汗を流している。再調整での抹消は広島時代の12年9月以来9年ぶりとなる。今季は40試合出場で打率.227、4本塁打、8打点。復調を目指すが、巨人には「FAで移籍した主軸の選手が2軍に落ちると復活できない」という不吉なジンクスがある。丸は覆せるだろうか。
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常勝を義務付けられる巨人に求められるのは過去の実績でなく、現時点でチームの戦力になれるかというシビアな目線だ。他球団の主軸として活躍し、移籍加入の時は三顧の礼で迎えられたFA組も例外ではない。結果が出なかったら、他のFA選手や外国人選手にその座をすぐに奪われる。広澤克実、清原和博、江藤智ら球界を代表する強打者も最終的には戦力構想から外れ、他球団に移籍している。
巨人が低迷していた時期にFA移籍し、4年連続30本塁打と主軸として活躍した小笠原道大も味わったのは栄光だけではない。移籍5年目の11年に83試合の出場にとどまり打率.242、5本塁打と不本意な成績に終わると、12年はプロ最少の34試合出場で打率.152、0本塁打。13年は22試合出場で打率.250、1本塁打で日本シリーズの出場資格枠の40人からも漏れた。同年限りで退団。事実上の構想外だったが、球団は功労者としてのキャリアを尊重し、中日にFA移籍した。
陽岱鋼も苦しんでいる。走攻守3拍子揃った外野手で日本ハム時代の13年には47盗塁で球団史上初の盗塁王を獲得。外野でゴールデングラブ賞を4度獲得し、17年に巨人へFA移籍したが、度重なる故障もありレギュラーに定着できていない。昨年は38試合出場で打率.238、1本塁打とファーム暮らしが大半を占めた。今季も1軍昇格どころか、ファームで精彩を欠いたプレーで3軍降格も経験。今季が5年契約の最終年だが、このままでは退団の可能性もある。
丸はどうだろうか。18年オフに巨人にFA移籍すると2年連続全試合出場でリーグ連覇に貢献。19年は打率.292、27本塁打、89打点、昨季は打率.284、27本塁打、77打点とチームで唯一の2年連続全試合出場ときっちり結果を残している。まだ32歳と老け込む年ではない。一方で指摘されるのが、直球への対応だ。昨年のシーズン終盤あたりから速い直球を捉えきれずファウルにしたり、空振りする場面が目立つ。選球眼の良さと変化球への対応力は高いだけに、直球をいかにミスショットしないかが復活のカギを握りそうだ。