巨人・原辰徳監督 (c)朝日新聞社
巨人・原辰徳監督 (c)朝日新聞社

 開幕から首位を快走する阪神を追いかけているのが巨人だ。3.5ゲーム差の2位につけ、今日14日から東京ドームで首位攻防戦の3連戦が行われる。

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「巨人は阪神との3連戦で1勝2敗でも良いでしょう。3連敗しなければいいと思っているのではないでしょうか。坂本勇人が戦線離脱し、エース・菅野智之もいない。開幕から主力が全員そろって戦った試合は皆無に近いです。そんな苦しい状況で貯金8は十分。原監督でなければBクラスに低迷していたと思いますよ」(スポーツ紙遊軍記者)

 確かに万全の布陣で戦った試合は少ない。4月上旬にウィーラー、丸佳浩、中島宏之、若林晃弘が新型コロナウイルスの検査で陽性と判定されて戦線離脱。エース・菅野も開幕直後に足の違和感で離脱したのに続き、今月7日のヤクルト戦(東京ドーム)に登板後に右ひじの違和感を訴えて緊急降板。今季2度目の登録抹消となった。主将の坂本も9日のヤクルト戦(東京ドーム)で捕手からの牽制にヘッドスライディングで一塁に帰塁した際、右手を負傷。病院で精密検査を受け、右手母指(親指)末節骨の骨折と診断された。昨オフにFAで獲得した井納翔一も1試合の先発で炎上してファーム降格すると、救援に配置転換されて1軍昇格後も失点を重ねてピリッとしない。

 その中でも白星を重ねられるのは、14年間の監督生活で9度のリーグ優勝、3度の日本一を飾った原監督の「采配力」が大きい。今年は新型コロナウイルス感染拡大を防ぐため、試合時間短縮の観点で9回打ち切りとなっている。一つの采配ミスが致命傷になるため、勝負所での用兵術が大きな意味を持つ。3日の広島戦(マツダスタジアム)では1点リードの9回に4人の投手をつぎ込む執念の継投策で逃げ切った。巨大戦力を擁しているから勝てるわけではない。原監督の緻密な戦術眼とその戦略を理解して動く選手たちのパフォーマンスは評価されるべきだろう。

 だが、原監督の采配に対して苦言も少なくない。4月下旬にテームズ、スモークの両外国人が1軍昇格した際は、打撃好調だった香月一也と廣岡大志がファームに降格。リードオフマンとして活躍していた松原聖弥がベンチ要員になると、「実力主義ではなかったのか」、「打席内容が悪い丸を使うなら松原を使ってほしい」など巨人ファンから批判のコメントがSNS上で多く寄せられた。

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