医療ドラマでよく見る「教授回診」って本当に必要なの? 現役医師が変革に挑む (2/2) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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医療ドラマでよく見る「教授回診」って本当に必要なの? 現役医師が変革に挑む

連載「現役皮膚科医がつづる “患者さんと一緒に考えたいこと、伝えたいこと”」

大塚篤司dot.#ヘルス
大塚篤司(おおつか・あつし)/1976年生まれ。千葉県出身。医師・医学博士。2003年信州大学医学部卒業。2012年チューリッヒ大学病院客員研究員、2017年京都大学医学部特定准教授を経て2021年より近畿大学医学部皮膚科学教室主任教授。

大塚篤司(おおつか・あつし)/1976年生まれ。千葉県出身。医師・医学博士。2003年信州大学医学部卒業。2012年チューリッヒ大学病院客員研究員、2017年京都大学医学部特定准教授を経て2021年より近畿大学医学部皮膚科学教室主任教授。

※写真はイメージです(写真/Getty Images)

※写真はイメージです(写真/Getty Images)

 教授は患者さんのもとを回りながら、診察だけでなく実際の治療の相談を行い、ときには椅子を引っ張り出してテーブルを囲んで患者さんとゆっくり話をすることもありました。

 はじめのときこそ、少人数の教授回診は物足りなさを感じましたが、次第にスイスの上司の回診のほうが患者さんが緊張せずに話せることに気がつきました。

 そしていつか自分が教授回診をする立場になったら、絶対にこのスタイルで行おうと心に決めていました。

 日本で教授回診を行う理由は、診療のクオリティーチェックだけでなく、若手医師への教育の側面が大きいのだと思います。電子カルテや解説動画がない時代は、目の前で見ることのできる先輩医師の診察はとても貴重だったのだと想像します。

 しかし、大人数がぞろぞろと並んで「見る」ことが教育だった時代は終わりつつあります。電子カルテにはすべての患者情報が記録され、その内容はカンファレンスで医師全員が供覧し検討することが可能です。わざわざ患者さんのもとへ大人数で押しかけ、威圧感を与えなくても勉強はできるようになりました。もちろん、手技や経験などじかに学ぶべきものはたくさんありますが、教授回診の本来の役割は別の手段で補うことも可能になってきたのではないでしょうか。

 さらに、withコロナの時代にわざわざ密になるような行動を病院で行う必要もありません。

 この4月から私も教授職に就くことになりました。というわけで、さっそく少人数の教授回診をはじめます。最低限の人数で患者さんのもとを回り威圧感を与えないように注意したいと思います。

 時代にあわせて大学病院の診療スタイルも変えていく必要があると思っています。もしかしたらこの先、「白い巨塔」でみられたような教授回診は過去の遺物になるかもしれませんね。


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大塚篤司

大塚篤司(おおつか・あつし)/1976年生まれ。千葉県出身。医師・医学博士。2003年信州大学医学部卒業。2012年チューリッヒ大学病院客員研究員、2017年京都大学医学部特定准教授を経て2021年より近畿大学医学部皮膚科学教室主任教授。皮膚科専門医。アレルギー専門医。がん治療認定医。がん・アレルギーのわかりやすい解説をモットーとし、コラムニストとして医師・患者間の橋渡し活動を行っている。Twitterは@otsukaman

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