川栄李奈(左)と西野七瀬(C)朝日新聞社
川栄李奈(左)と西野七瀬(C)朝日新聞社

 最近、西野七瀬のCMをよく見る。

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「au」の「意識高すぎ!高杉くん」シリーズでは新キャラの「貯杉先生」として登場。神木隆之介扮する高校生を悩殺し、松本穂香扮する女子高生を嫉妬させる役どころだ。そのかわいさを武器に、人気シリーズを活性化させる働きを見事に果たしている。

 また「アサヒスーパードライ」の「春、待ってるよ」編では、同じく元・乃木坂46の白石麻衣と共演。「スーモハウス」の「ナナセさんの絞り込みカンリョウ!」編には単独で出演中だ。

 どのCMでも、長年在籍したグループを2年以上前に卒業した26歳とは思えない新鮮な魅力が感じられ、ファンならずとも目を奪われる人が続出している。

 ただ、こうした姿を見せているのは西野だけではない。欅坂46のセンターだった平手友梨奈は年明けの「世界の果てまでイッテQ!」(日本テレビ系)でかくし芸に挑戦するなどして、グループ時代とはまた違ったアイドル性をアピール。同じく元欅坂の長濱ねるも、一年近くの活動休止を経て、しっとりとした魅力も加えたかたちで戻ってきた。

 前出の白石もきれいなイメージをキープしているし、坂道系の卒業組はもっぱらアイドル性を維持、もしくは更新しながらソロに移行しているのである。

 一方、AKB48をはじめとする48系グループの卒業組は対照的だ。女優なり、バラドルなり、アイドル的ではないイメージを強く打ち出しているように見える。例外として渡辺麻友がいたものの、昨年、引退してしまった。

 これにはAKBのほうが歴史が古く、また、乃木坂などは芸能史的にも空前絶後のルックス偏差値を誇るグループだからということも関係しているだろう。しかし、それだけではない。AKBは「ヘビーローテーション」や「恋するフォーチュンクッキー」といった、老若男女が知る大ヒット曲を生むなどして、正真正銘の国民的グループへと到達した。それゆえ、48系全体に時代を象徴するブームを作った印象がともなっている。その物語は、ファン以外にも共有されているのだ。

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宝泉薫

宝泉薫

1964年生まれ。早稲田大学第一文学部除籍後、ミニコミ誌『よい子の歌謡曲』発行人を経て『週刊明星』『宝島30』『テレビブロス』などに執筆する。著書に『平成の死 追悼は生きる糧』『平成「一発屋」見聞録』『文春ムック あのアイドルがなぜヌードに』など

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卒業後は「別の顔」が求められる48系