コロナ禍における会食については「(会食は)メリットがあるとはいえ、今必要であるとは思いません」としたうえで、「5人以上の会食を控えるよう呼びかけている以上、政治家も模範を示すことは、当然必要になる。私も当面は会食を控えるつもりです」と話した。

 若手の意見はどうか。自民党副幹事長の鈴木貴子氏(35)は1歳と3歳の子どもを育てながら議員活動をしているワーキングマザーだ。多忙な子育てとの両立の中で「コロナ前」でも会食は週に2回程度だったというが、それでも会食自体には肯定的な立場だ。

「私は会食を、人間関係を築く場であると捉えています。飲み会だけでなく、有識者と一対一で会食をする際も同様です。情報収集と同時に、人間関係を築く目的もある。信頼関係があってこそ、得られる情報もあるからです」

 今は対面での会食はなくなったというが、かといって「オンライン」で会食することはほんどないという。

「同じ空間で時間を共有し、同じ食べ物を食べることで、分かり合えるものがあると感じています。従来の政治家の会食が全部、オンラインに置き換わることはないと思います。これからは『飲食を除いて5分でも時間を共有する』といったように、『できる範囲での対面』に変わっていくのではないでしょうか」

 前出の稲田氏はオンライン会食について「対面に勝るメリットを感じている」と話す。

「オンラインなら予定の隙間時間に入れることもできて、地元支援者の詳細な意見も聞き出すことができる。案外良いなと気付かされました」

 一方、野党の議員は同じ政治家として会食をどう考えているのか。

 昨年12月16日の衆院内閣委員会で、菅首相の会食問題を追及した立憲民主党の大西健介衆院議員(49)はこう語る。

「直接会うことでしか得られないこともあるし、同じ釜の飯を食べることで打ち解けることもある。お酒が入ることで打ち解ける雰囲気が醸成されるのも確かです。ただ、感染拡大が止まらない状況で一国のリーダーが会食をするのは、常識的に考えれば避けるべきです」

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大物政治家は会食で地位を築いてきた