大西氏は先月16日の委員会で会食に関する質問をした意図について、次のように明かす。

「私は『会食はけしからん』として質問をしたわけではありません。政府が『5人以上の会食は控えてほしい』というメッセージを発している一方で、総理が8人で会食を行っている、そのちぐはぐさに『一体どっちなのですか』と追及したのです。総理が言行不一致であれば、国民にメッセージは伝わりません」

 政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏は、「永田町では『飯を食うのが仕事』という文化がある」と話す。

「密室で酒を酌み交わして議論しなきゃしょうがない、と思っている政治家はまだ多い。なぜなら、永田町は権力闘争の社会だからです。権力闘争に勝つために会食をするのです。首相経験者や、派閥のトップになるような大物政治家のほとんどが、会食を上手に使って地位を築いてきた。逆に、それをやらない政治家は孤立してしまいます」

 鈴木氏自身も取材活動では政治家との会食を活用してきたが、

「平時であれば会食もいいと思いますが、今はコロナで密を避けようという時。このタイミングで『政治家は飯を食うのが仕事』という方便は通用しないでしょう」

 長きにわたり受け継がれてきた、永田町の会食文化。今後は政治家の会食も「ニューノーマル」を目指すべきだろうが、腰はかなり重そうだ。(取材・文=AERA dot.編集部・飯塚大和)