菅首相は会食自粛でストレスが溜まっている?(C)朝日新聞社社  
菅首相は会食自粛でストレスが溜まっている?(C)朝日新聞社社  
2018年7月5日夜に安倍晋三首相(当時=中央=)らが参加した「赤坂自民亭」の様子。西日本豪雨災害の最中での会合は批判を浴びた(画像は西村康稔衆院議員のツイッターから)
2018年7月5日夜に安倍晋三首相(当時=中央=)らが参加した「赤坂自民亭」の様子。西日本豪雨災害の最中での会合は批判を浴びた(画像は西村康稔衆院議員のツイッターから)

 緊急事態宣言で飲食店などへの自粛要請が強まる中、菅義偉首相の会食問題が“再燃”している。きっかけは読売新聞オンラインが1月14日に配信した記事。長引く会食自粛で「菅首相がストレスを抱えている」とも取れる報道が出たことに対し、SNSでは「リモートしろよ!」「ストレスなんて国民も企業も爆発してるよ!」など反発の声が噴出した。この状況下ですら、自粛すればストレスになるという「会食」とは、政治家にとってどのようなものなのか。それほど職務に重要なことなのか。与野党議員に本音を聞いてみた。

【写真】2018年7月に西日本豪雨の中で行われて批判された「赤坂自民亭」の様子はこちら

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 問題の発端は、昨年12月14日に菅首相が自民党の二階俊博幹事長や王貞治氏ら8人で東京・銀座のステーキ店での会食していたことだ。国民に自粛を呼びかける最中のこの行動は世間から猛批判を浴び、菅首相は同月17日から「夜の会食」を自粛。平日の日課だった秘書官や有識者との「朝食会」も1月7日から見送るようになった。これに対して前出の読売新聞の記事では、<自民党内からは、会食自粛でストレスを抱えるだけでなく、「集める情報が減れば、判断に影響しかねない」(ベテラン議員)と懸念する声も出ている>と報じられた。

「会食をしないと政治判断に影響が出る」とも取れる内容だが、他の自民党議員はどう感じているのか。

 元防衛相で自民党幹事長代行を務める稲田朋美衆院議員(61)は、「コロナ前であれば」と前置きしつつ、菅首相の「朝食会」にはこう理解を示す。

「ご飯はどうせ食べなければならないので、(菅首相も)その時間を有効に活用するためにしていたのだと思います。私もコロナ前には、有識者の方々と『勉強会』を兼ねた会食をしてきましたが、視野を広げるという意味で有意義な時間でした」

 ただ、酒を交えた「夜の会食」にはデメリットも感じていたという。
「お酒を伴う会食は、『仲間づくり』の側面が強いと感じています。ただ、中には大規模の会食や、集まるだけの『形式的な会食』もありました。長時間に及びがちで帰りも遅くなるので、自分のしたい勉強ができなくなる。良しあしですね」(同)

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「オンラインに置き換わることはないと思う」