4区で快走を披露した創価大の嶋津雄大(左)(代表撮影)
4区で快走を披露した創価大の嶋津雄大(左)(代表撮影)

 2021年正月の箱根駅伝は大いに盛り上がり、最終10区での劇的な逆転劇によって記憶に残るレースとなった。結果的には駒沢大が13年ぶり7度目の優勝を飾ったが、その藤色の襷以上に目立ったのが、赤青のストライプ、創価大の奮闘ぶりだった。通算4度目の箱根路で初優勝まで“あと一歩”の総合2位。前回大会で総合9位となり初めてシード権を獲得した新興校の躍進は、大きな驚きを与え、大学駅伝界の勢力図の変化を予感させた。

 改めて創価大の今年のメンバーを振り返ると、全10区間中4年生は1区・福田悠一、7区・原富慶季、9区・石津佳晃の3人。3区で区間3位だった葛西潤(2年)、4区で区間2位の快走で首位奪取に成功した嶋津雄大(3年)、5区の山登りを区間2位で走り抜いた三上雄太(3年)が今後も軸としてチームに残る。最終10区で逆転され悔しさを味わった小野寺勇樹(3年)のリベンジも含め、コロナ禍の1年を戦い抜いた末の2位はチームをさらに強くし、来年の箱根路も好走できるはずだ。そしてその期待は、創価大だけのものではない。

 記憶に新しい2020年の箱根駅伝で総合3位に入ったのが、国学院大だ。今年も「総合3位以内」を目標に掲げたが、卒業した浦野雄平(富士通)に代わる新エース・藤木宏太(3年)の1区12位からリズムに乗れずに総合9位でゴールした。それでもチーム初となる3年連続シード権獲得。リベンジを誓う藤木と10区で区間3位の力走を見せた主将・木付琳(3年)がチームに残り、2区を走った中西大翔は2年生。特に今年振るわなかった藤木と中西が来年、本来の走りを見せることができれば再び上位争いを展開できるはずだ。

 その国学院大以上に若く、多くの伸びしろを残しているのが、順天堂大だ。注目されたスーパールーキー・三浦龍司は、今年の箱根で1区を走ったが、超スローペースの中で力を発揮できずに区間10位。しかし、昨年10月の予選会で日本マラソン界のエース・大迫傑(ナイキ)が早稲田大1年時に記録したU20ハーフマラソン日本記録を6秒更新(1時間1分41秒)した力は本物。この三浦に続き、2区以降も野村優作(2年)、伊豫田達弥(2年)石井一希(1年)、津田将希(3年)と力のある下級生が揃い、復路も5人中4年生は2人。三浦の爆発にレース展開が向けば、来年正月のテレビ画面をジャックすることは可能だ。

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来年も駒沢は強い?他に注目すべきは?