――田原さんって、性にけっこうみだらな人なのかと思ったら、意外と結婚するまでは童貞だったということも記事で知りました……。生涯で自分から望んでセックスをした女性は2人だけだったと知って驚きました。

田原:実は、買春を1回もやったことがないんですよ。仕事仲間に連れて行かれた風俗で「お金を払うから帰らせてくれ」と言って、相手を怒らせたこともあった。真面目というよりは、そういう気になれないだけ。

■27年間の不倫と再婚、妻の介護

――田原さんは、性に対してそんなに真面目なのに、実は不倫を27年間されて、その方と再婚されたんですよね? びっくりしたんですが、それはなぜですか?

田原:こんなに気持ちが通じ合える女性がいなかったんだよね。最初の女房はとてもいい女性だったけど、僕の仕事の中身にはあんまり関心を示さなかった。2人目の女房は、仕事の中身にもすごく関心を持ってくれて自分の意見をはっきりと言ってくれた。

――田原さんの奥さまは2人ともご病気で介護を経験されたそうですね。介護が楽しくてこれは新しい愛の形だとおっしゃっていました。私には衝撃的で全然理解できなかったんですが……。

田原:2人とも乳がんだった。認知症になってからだと辛いかもしれないけど、介護をすれば相手も感謝してくれるじゃない。2人目の女房は歩けなくなって車椅子だった。お風呂に入れるときには、裸になって湯船にざぶんと。楽しいよ。普通なら入らないもんね。

――田原さんは、恋愛は2種類あるとおっしゃっています。「征服する恋愛」と「尊敬し合う恋愛」だと。これはどういうことですか?

田原:僕は女性を尊敬している。女房は2人とも乳がんだったけれど、偉いところは2人とも最後まで泣き言を言わなかったところ。

■野党が強くなれば若者の投票率も上がる?

――つらい闘病生活で弱音を吐かないなんて私には無理です……。最後に、いま若い人たちに選挙に行こうと呼びかける活動をしているんですが、若者に政治に関心を持ってもらうにはどうしたらいいと思いますか?

田原:若い人が選挙に行かないのは、どうせ行ったって政治は変わらないと思っているから。野党が弱すぎるんだよ。野党が強くなって緊張が生まれれば、若者も選挙に行く。あのアメリカだってトランプ大統領が落選する可能性がある。でも日本では自民党が野党に政権を取られるなんて思ってないから、安倍内閣は次から次から好きなことやって安心しきっていた。とにかく野党が強くなれと言っている。

――どうしたら野党が強くなりますか?

田原:野党が強くなるためには、自民党の政策に安易に反対することをやめろと。例えば、野党がアベノミクスを批判するけれど、国民は批判なんて聞きたくない。批判ではなくて、野党が政権を取ったらどういう経済政策を取るのか具体的に対案を示してほしいと思っている。自民党に反対していれば当選すると考える野党の議員は怠け者だ。

(構成=たかまつなな

※対談のフルバージョンは以下で見る事ができます。
【朝生いつ引退するのか聞いてみた。テレビと政治の深い闇】
https://youtu.be/mcExbBjjmbg
【日本初のAV男優は、田原総一朗?!愛とセックスの衝撃告白】
https://youtu.be/lrYv2rcQjLk

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たかまつなな

たかまつなな

株式会社 笑下村塾代表取締役。1993年神奈川県横浜市生まれ。若者の政治参加が専門。主権者教育と若者議会を広めるべく、時事YouTuberとして、政治や教育現場を中心に取材し、若者に社会問題を分かりやすく伝える。株式会社笑下村塾を18歳選挙権をきっかけに設立し、出張授業「笑える!政治教育ショー」「笑って学ぶ SDGs」などを全国の学校や企業、自治体に届ける。著書に『政治の絵本』(弘文堂)『お笑い芸人と学ぶ13歳からのSDGs』(くもん出版)がある。

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