■死ぬまで「朝まで生テレビ」

――朝生は田原さんがいないと成り立たない番組だと思っています。そもそも引退を考えることはあるんですか?

田原:考えていません。プロデューサーからも局からも引退しろって言われていない。再来年が「朝生」の35周年、4年後には「激論!クロスファイア」の15周年なんですよ。これはやりたい。一番ハッピーなのは番組で死ぬこと。いま86歳だから、普通だったらいつ逝ってもおかしくないもんね。

――いつまでも続けてほしいと思いますが、田原さんの後継者と呼べるような人は育っているんですか?

田原:若い人を育てたいと思っている。政治家で言えば、衆議院議員の齋藤健さん。人がいいし、何でも言いたいことを言う。自民党が変わらなきゃだめだと彼には言っている。それからジャーナリストの津田大介さん。彼には本当に育ってほしい。

■取材のためなら裸でセックスも

――田原さんの著書をたくさん読ませていただく中で、タレントの水道橋博士さんが「田原さんが日本で最初のAV男優だ」とおっしゃっていたのに驚きました。番組の取材で全共闘(全学共闘会議の略。1968年から69年にかけての大学闘争で、従来の学生自治会とは別に大学改革を掲げてつくられた)の元メンバーの結婚式を取材したそうですね。列席者の男性たちと花嫁が順番にセックスするという異常な状況。みんなが裸になるから、田原さんもカメラマンも裸になったそうですが本当ですか?

田原:全共闘の仲間内の結婚式で、面白いと思って取材に行った。そしたら、全員が裸になって、撮影スタッフも全員裸になれと言われた。嫌なら取材させないと。

――それで花嫁から田原さんが指名されて、花嫁を抱いている姿が地上波で流れたそうですね。自分の裸が映るの恥ずかしくなかったんですか?
田原:恥ずかしいですよ、それは。でも恥ずかしい以上に取材をしたいと思った。

――ロケで訪れたアメリカでも、マフィアの経営するバーを撮りたいと言ったら、「玉突き台の上で女とやったら撮らせてやる」と言われて、黒人の娼婦相手に台の上で裸でセックスしたそうですね。

田原:やらなきゃ取材させないって言うんだからやった。警察署長がみんな来ていて面白い集会だなと思った。おかげで撮影も許可されて取材できた。

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27年間の不倫をへて再婚