レスリングでは日本代表にもなったこともある倉本一真(写真/gettyimages)
レスリングでは日本代表にもなったこともある倉本一真(写真/gettyimages)

 Youtuberとしても活躍する朝倉兄弟(未来、海)の人気もあり、再び総合格闘技に注目が集まりそうな雰囲気がある。だが、本格的にMMA人気が再燃するためには、朝倉兄弟以外にもスター選手の誕生が必要となってくるのは間違いないだろう。

 かつても、ブームの火付け役となった桜庭和志の他に、藤田和之、桜井“マッハ”速人、山本“KID”徳郁、五味隆典ら数々のスター選手が生まれ、当時のMMA界を大いに盛り上げた。

 そして現在、朝倉兄弟以外にも日本のMMA界を盛り上げてくれそうなファイターがいる。そこで今回は、今後日本の総合格闘技人気の復活に貢献してくれそうな5人の選手を紹介したい。

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 5月9日(現地時間)、プロスポーツの先陣を切りUFCがフロリダ州で大会を開催。5月31日には総合格闘技の老舗・修斗が無観客の「ABEMAテレビマッチ」を行うなど、格闘技界も再始動への動きが見えてきた。

 全8試合がラインナップされた修斗のABEMAテレビマッチにおいて、メインイベントで行われたのが世界バンタム級暫定王者決定戦。ここで2R KOにより環太平洋王座とのW王者に輝いたのが岡田遼だ。

 千葉大学の大学院で運動生理学を学び修士号を取得、現在パーソナルトレーニングジムで代表も務める岡田はサッカーを経て大学時代に総合格闘技を開始。当初は軽い気持ちで、アマチュア修斗デビュー戦でもボコボコにやられトイレで嘔吐、「もう辞めよう」と思ったという岡田は、その後も度々壁に阻まれながらも屈することなくデビュー7年で悲願の世界王座奪取を成し遂げた。

 試合後は激闘直後にも関わらず師への感謝や「人間万事塞翁が馬」といった言葉を盛り込み、修斗愛を叫んで締めるマイクを披露。大会をきっちり締めくくり、解説の青木真也も称賛の声を寄せていた。

 4月からYouTubeを始めた岡田は自身の解説で世界戦を振り返る動画もアップ。攻防の裏側にある駆け引きや心理戦、事前に積んだ準備も明かしており見応えがある。また自身が学んだ運動生理学、栄養学、解剖学といった知識を活かしたダイエットやトレーニング動画も多数アップしており、フィットネス時代の昨今、うってつけのファイターだ。

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女子格闘技界にも“スター候補”