箱根駅伝の予選会(C)朝日新聞社
箱根駅伝の予選会(C)朝日新聞社

 2019年10月、麗澤大のウェブサイトに次のような告知が掲げられた。

「第96回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)の予選会が10月26日(土)に行われました。残念ながら麗澤大学は出場まであと一歩の11位(記録10:57:12)と健闘してくれました。2年連続の次点で非常に悔しい結果となりましたが、選手の皆さんは非常に頑張ってくれました。遠方から声援を送ってくださった皆様、たくさんの応援いただきましてありがとうございました」(2019年10月26日)

 箱根駅伝に出場できるのは関東の大学20校。前年の大会で上位の10校がシード校として出場し、残りは予選会の上位10校が出場する。予選会の順位は各校の上位10人の合計タイムで決まる。同タイムで並んだ場合、上位10人の合計順位が少ない方が上にくる。それでも並んだときは、各校の最上位者が上の学校が上位となる。

 麗澤大は箱根駅伝初出場をめざしていたが、わずか26秒差で10位以内に入れなかった。しかも2年続けての次点である。今回、麗澤大のメンバーは充実し、自信を持って予選会に挑んだ。大学ウェブサイトで「あなたも麗澤大学の歴史の証人になりませんか?」と応援を呼びかけたほどである。それゆえ「非常に悔しい」思いをしたが、主力メンバーは何人か残っている。来年に期待したい。

 予選会で麗澤大に次ぐ12位の駿河台大は、その反対におおいに盛り上がった。前々年23位、前年18位から順位を大きくあげ、箱根が目の前に見えてきたからだろう。大学ウェブサイトでこう伝えている。

「レース後、徳本監督の挨拶では『来年で仕留めます』という力強い言葉も聞くことができました。今年も選手の御父母等、たくさんの方々による応援に恵まれ、素晴らしい結果にたくさんの感動が生まれました」(19年10月26日)

 2012年、徳本一善監督が就任して駿河台大の箱根駅伝出場に向けた取り組みが本格的に始まった。

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本大会初出場をねらう大学の指導者は、すべて箱根駅伝出身