1年目は2軍、3軍の試合で経験を積んでフレッシュオールスターにも出場。オフに「胸郭出口症候群」による血行障害に悩まされたが、2年目は2軍で29試合登板。そして3年目の今季、5月5日に行われた独立リーグ・香川との3軍交流戦で日本プロ野球における左腕の最速記録となる160キロのボールを投じて話題となり、最終的に2軍では17試合35回2/3イニングを投げて2勝1敗、防御率2.52をマーク。3軍でも26試合に登板するなど確実に実戦経験値を上げながら成長を続けている。オフには台湾でのウインターリーグに参加。12月25日には入籍も予定。覚醒の予感は日に日に増している。

 野手陣では、安田尚憲(ロッテ)に出てきてもらわなければ困る。1999年4月15日生まれの20歳。高校時代は履正社の主砲として高校通算65本塁打を放ち、同世代の清宮幸太郎、村上宗隆らと肩を並べた。2017年秋のドラフト1位指名でロッテ入り。1年目からイースタンで打率.271、12本塁打、67打点をマークすると、2年目の今季は2軍で打率こそ.258とやや下げたが、19本塁打&82打点と爆発してリーグ2冠を獲得し、確かな実力と成長の跡を見せた。球団の「育てる」の意向もあり、今季の1軍出場はなかったが、すでに1年目の2018年に1軍17試合に出場してプロ初本塁打も記録済み。来季はいよいよ勝負のシーズン。1軍の舞台で大暴れする準備は整っている。

 野手のもう一人は、山下航汰(巨人)に注目だろう。2000年11月15日生まれの19歳。中学まで大阪で育ち、高校は群馬・健大高崎高へ進学。2年春の甲子園に出場して大会2本の満塁本塁打を放って注目を浴びた。3年時の甲子園出場はならなかったが、2018年秋のドラフトで巨人から育成1巡目指名を受けてプロ入りした。

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ファームでの実績は十分