しかし、白血病は命に関わる大病である。3月にはツイッターなどに「東京オリンピックまで499日 1日遅れちゃった まだまだ諦めないぞー!!」と綴り、4月には日大スポーツ科学部に進学して水泳部に入ったが、入学式にも出られなかった。5月から病室で軽めのバイクトレーニングを開始したり、9月に行われた日本学生水泳選手権に出場する同僚の応援に駆けつけたりと、明るいニュースも聞かれたものの、10月には、家族によるこんなメッセージが公開された。

「璃花子は現在も病院にて治療を続けています。本来ならば19歳なりのたくさんの経験ができる今を病と闘うためにすべてを我慢して辛い治療に耐える日々です。(略)璃花子はまだしばらく皆さまの前に出ることは叶いませんが、今後ともかわらず応援いただきますようよろしくお願いいたします」

 その一方で、民間療法に頼っているという報道も出て、回復の遅れが心配されていたが、12月17日、退院したことをツイッターなどで報告。プールでの練習再開はまだ先になるものの、復帰への大きな前進だ。手書きのメッセージには、

「入院中、抗がん剤治療で吐き気が強い時や倦怠感もありましたが、そんな時はとにかく『大丈夫、大丈夫、いつか終わる』と自分を励まし続けました。(略)オリンピックについてですが、2024年のパリ五輪出場、メダル獲得という目標で頑張っていきたいと思います」

 と、未来を見据える思いが綴られた。

■舌がん克服の堀ちえみ

 同じく2月には、タレントの堀ちえみががんであることを公表した。昨年の6月から口内炎ができ、塗り薬やレーザーなどによる治療を施されたものの、悪化していったため、本人ががんを疑い、1月に大学病院を受診。そこでようやく口腔がん(舌がん)、それも最も重篤なステージ4で、首のリンパにも転移していることが判明した。

 生存率50%という宣告に、堀はショックを受け、それまでにも特発性重症急性膵炎や特発性大腿骨頭壊死症、リウマチに苦しめられてきたことから「このまま治療せずに人生の幕を閉じてもいいのかな」とも考えたという。

 しかし、当時高1だった末娘に「私はもっとお母さんと一緒にいたい」と泣かれたことから、治療を決意。11時間を超える大手術で舌の6割以上を切除し、一命をとりとめた。

 その後、退院時の検査で食道がんが見つかったが、ステージ0だったことから、4月の手術で事なきを得た。10月には「ノンストップ!」のインタビューを受け、テレビにも復帰。ただし、声についてはナレーターによる吹き替えだった。舌を切除したかわりに太ももの組織を移植したものの、ある程度自然に話せるようになるには数ヶ月では無理らしい。

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「生活」をなんとしても取り戻すのだ