本展ではこの「鼻」と合わせて、0系新幹線を正面から見たときの写真が展示されている。なかでも「上部にあるアンテナがおすすめ」と松井さん。

「ふだんは高い位置にあってなかなか見られないものが目の高さにあって興奮しました。これまで私は新幹線では鼻の部分が好きだと思っていたのですが『実はアンテナだった!』と気づきました」と鉄道好きならではのポイントも披露してくれた。

 テレビでもおなじみ、鉄道マンふうの衣装に身を包んだ中川家の礼二さんのおすすめは「JR各社の制服」。旅客会社のみならずJR貨物の制服も並んでおり、「なかなか見ることができずとても貴重だ」と語った。また、生まれて間もない息子さんのいる中川家の礼二さんは「子どもって小さいときは、鉄道ものか戦隊もののどちらかにハマると思うんですけど、それが合わさった『新幹線変形ロボシンカリオン』があるんです」とお父さん目線のメッセージも。

■鉄道の歴史を知り、天空駅に魅了される

 会場は内周と外周の2つに分かれており、内周を一巡り、続いて外周を一巡りするコース設定がなされている。

 内周は、東海道新幹線が開業した年でもある1964年の上野駅から始まる。当時を再現した改札、およびホームをくぐり抜けていくと、現在に至るまでの、そしてその先につながる鉄道の歴史を学ぶことができるようになっている。

 ここでの見どころは、1987年にJRが誕生した際の、各社のヘッドマーク。単独では目にすることはあっても、会社の垣根を越えて横断的に見られる機会はそうそうない。

 また、初公開品として、寝台特急「トワイライトエクスプレス」の原寸大レプリカが展示されている。監修者で、各地の列車や駅舎の設計やデザインを手掛ける建築家の川西康之さんが、新潟県糸魚川市などの仕事に携わっていることが縁で実現した。

 2016年に発生した糸魚川市大規模火災の復興支援のためにJR西日本が寄付した本物の車両部品と、糸魚川市や新潟県の技術を総集して作られたもので、川西さんは「鉄道は『かっこいい』だけでなく地域を元気にする役目も担っている」と語ってくれた。このレプリカでは展望A個室スイートや食堂車が再現されており、窓から漏れる暖色の光が夜行列車の旅を雰囲気いっぱいに伝えてくる。

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スカイギャラリーに設置された「天空駅」