さらに「時刻表インスタレーション」として、1964年から現在にかけて刊行された時刻表が壁一面に展示されており、表紙を眺めているだけで、時代ごとの鉄道の様子を知ることができる。

 内周を一巡りしたのちは、外周へと移る。スカイギャラリーには「天空駅」が設置されており、ホームには段ボールで制作された「1号蒸気機関車」が提示されている。1号機関車は、明治政府がイギリスから輸入した蒸気機関車で、1872年に新橋~横浜間で行われた開業運転で主役を務めた。

 今回の段ボールでの1号機関車は幼少期から鉄道模型製作を続けてきたアーティスト、島英雄さんによる作品。背景には海抜250メートルの世界が広がっており、天空駅はその空模様次第で、さまざまな景色を見せてくれる予感がした。この天空駅は中川家の礼二さんのおすすめポイントのひとつ。

「ちょっと仕事に疲れたな……と思ったときにはこの天空駅に立ち寄ってほしい。駅からの夜景を眺めることで自分を見つめなおすことができると思います」(礼二さん)

 このほかに親子で楽しめるプラレールや最新の鉄道ゲーム展示のほか、アニメ映画「未来のミライ」に登場する「黒い新幹線」を忠実に再現した「骸骨座席」や「空想の東京駅」が実際に展示されている。撮影OKの会場内で、松井玲奈さんがおすすめするフォトスポットとして鉄道会社各社の鉄道標識の展示コーナーもある。

■食事も鉄道ムード満点

 また、「天空ノ鉄道物語」は、展示品だけでなく食事にも鉄道ムードが満点なところも見逃せない。会場に隣接する「Restaurant THE MOON」は「天空駅カフェ」として、オリジナルの「天鉄」かまぼこが乗った駅そばを開発。関東風と関西風の2種類が楽しめる。

 各地の駅弁屋、列車を模したスイーツ、さらにはヘッドマークをデザインしたラテアートと、見ても食べてもおいしいグルメが充実している。変わり種としては、鉄道車両の「ドア」をイメージしたオリジナル駅弁「ドア弁」も全12種類が販売されている。午前に内周、昼食を経て外周というめぐり方もできそうだ。(文/蜂谷あす美)

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