■先進国での平均寿命は、日本→スペイン→スイス・イタリア→フランス

 しかし、フランスでは肥満はすごく少なく、OECD指標ではフランス人より太っていないのは韓国人と日本人だけだ(https://data.oecd.org/healthrisk/overweight-or-obese-population.htm#indicator-chart)。

 平均余命で言えば、先進国でダントツの1位は日本だが、フランスは堂々の4位につけている(https://data.oecd.org/healthstat/life-expectancy-at-birth.htm)。

 たしかに、パラドックスだ。

 ちなみに日本に次ぐ2位はスペイン、次いでスイス、イタリア。日本以外はワイン生産量も、消費量の多い国ばかりだ。

 ちなみにスペインは平均余命で日本を追い抜き、世界一の長寿国になるであろうことが予測されている。やはり地中海ダイエットの効果だろうか http://www.afpbb.com/articles/-/3193650。

 フレンチ・パラドックスは現在でもはっきり理由の分からない「なぞ」のままだ。赤ワインが全死亡率を下げることは臨床研究で示唆されているから、これは説明の一つにはなっているだろう。でも、肥満が多くない理由の説明にはならない。どうしてなんでしょうね?

■適正なワインの摂取量はどれくらい?

 さて、これまでの研究結果をまとめると、ワインは適正量を飲めば健康によい。少なくとも悪くはないことが示唆されている。しかし、飲み過ぎは健康によくない。

 なんか、当たり前すぎて退屈な結論になってしまったけれども、まあ、世の中の結論はたいていそういうものなのかもしれない。では、適正なワイン摂取量とはどのくらいか?

 伝統的に、ワインの適正摂取量は3杯までと言われている。ワイングラスに並々とワインを注ぐ店もあるが(ぼくの経験ではアメリカのバーはそういうところが多い)、普通、ワイングラスに注ぐ「一杯」はだいたい125cc、ワインボトルが1本750ccですから、まあ6杯分だ。

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紀元前に書かれたワインの記述