酒井宏樹(マルセイユ)、冨安健洋(ボローニャ)、吉田麻也(サウサンプトン)、長友佑都(ガラタサライ)の4バックに柴崎岳(デポルティーボ)と遠藤航(シュトゥットガルト)のボランチ、2列目の堂安、南野拓実(ザルツブルク)、中島、そして1トップの大迫勇也(ブレーメン)だ。

 見ての通り国内組は一人も含まれていない。森保監督としてはアジア予選の一発目であるミャンマー戦は相手などに関係なく、ベストの23人の中でもベストの11人で入りたいはず。しかし、その前に行われるパラグアイ戦は試合までの準備が3日間しかなく、初日に集まれたのは13人、月曜日に試合があった遠藤は前日からしか練習に参加できない。

 そうした事情を踏まえればパラグアイ戦は選手のコンディションを見極めながらの起用にならざるを得ないのだ。そこに国内組の割って入るチャンスがある。もっともスタメンの可能性が高いのはボランチの橋本だ。J1の首位を走るFC東京から永井とともに選出された橋本は、今年3月に代表初招集されてから着実に評価を高めて“森保ジャパン”の常連となっている。

 コパ・アメリカでキャプテンを務めた柴崎はパラグアイ戦でもスタメンで起用されそうだが、アジアカップで柴崎とボランチのコンビを組んだ遠藤が前日からしか練習に参加できないため、森保監督は柴崎のパートナーに橋本か板倉滉(フローニンゲン)のどちらかを選ぶことになる。板倉も若手中心で臨んだコパ・アメリカで初めてA代表に選ばれ、クラブでは開幕戦からセンターバックでフル出場を続けているが、ボランチの専門家である橋本はコンディション面でもアドバンテージがある。

 森保監督が求めるボランチの能力をハイレベルに揃えているのが橋本の強みだ。ボールを奪う能力が高く、そこから正確なファーストパスでチャンスの起点となり、タイミングよく飛び出せればミドルシュートはもちろん、ペナルティエリア内まで侵入してフィニッシュに絡むこともできる。元FC東京の中島や久保の特徴を理解しており、もちろん前線に永井が起用されればホットラインとなる。ホームゲームながらパラグアイ相手に守備の強さや攻撃における状況判断などを発揮できれば、ボランチ間の競争でも着実に評価を高められるはずだ。

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他にも出場機会を得られそうな国内組