センターバックの畠中にもパラグアイ戦での出場チャンスはある。ファーストセットの冨安と吉田が先発する可能性が最も高く、もう一人のセンターバック候補である植田直通(セルクル・ブルージュ)も古巣・鹿島アントラーズのホームでの出場に意欲を燃やしているが、センターバックでも左側を得意とする畠中は右の植田と持ち場が異なる。攻撃面でも畠中は右利きながら左足での展開力に優れ、鋭い縦パスを前線に付けられるため、大迫のポストプレーや二列目が前を向いて仕掛けるシチュエーションを作りやすい。

 前からボールを奪いに行く守備はたまに“すっぽ抜け”もあり、強いていえば3バックを採用した時の方が積極的に特長を発揮しやすいが、吉田がサウサンプトンでなかなか出場時間を得られない(合流直前のマンチェスター・ユナイテッド戦では味方の左サイドサイドバックが退場し、試合終盤に同ポジションで起用された)状況で、コンディション重視でパラグアイ戦のスタメンに抜擢される可能性は十分ある。そうなれば全力でアピールして、森保監督のさらなる信頼を勝ち取らない手はないだろう。

 橋本や畠中に比べてスタメンの可能性は少ないが、90分の中でチャンスをもらえそうなのがFWの鈴木と永井だ。“大迫の代役不在”が叫ばれて久しいが、鈴木は技術的にまだ荒削りではあるものの、185cmの長身ながらスピードがあり、ターゲットマンになりながら裏も狙える。現在Jリーグで9得点を挙げているだけでなく、仲間のアタッカーに点を取らせるサポートも向上しており、そうした目に見える成長は今年になって継続して招集されている理由だろう。

 コンディションに大きな問題がなければドイツのブンデスリーガでも好調の大迫がスタメンになりそうだが、その大迫を5日後のミャンマー戦で起用することも想定して、早い時間帯に鈴木を交代で投入するプランを森保監督は描いている可能性は高い。抜群のスピードを誇る永井はFWでも二人と大きく特長が異なる選手であり、基本的にスタメンよりもジョーカー的なオプションとして想定されているはずだ。もちろん1トップ起用もあるが、時間帯によってFC東京のような2トップに変更し、大迫と永井を並べる形が有効なオプションになりうる。

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