新助っ人が不振に喘ぐ中、実績のある日本人のベテラン2人も結果を残していない。背番号5を与えられた前オリックスの中島宏之は、開幕1軍スタートも打率.171のまま5月31日に登録抹消。1軍再昇格を果たした6月19日の試合で移籍後初本塁打を放ったが、打率.170、1本塁打、4打点と低迷。代打要員としての役割も、代打成績は23打数2安打の打率.087とハッキリ言って“向いていない”。さらにメジャーから8年ぶりに日本球界に復帰した中島以上の“大物”である岩隈久志は、状態が一向に上がって来ず、ここまで1軍登板なしという状況だ。

 こう見ると、オフの大型補強は「1勝」+「1分け」+「4敗」と言えるだろう。「1勝」の効果が大きくチームは首位を走っているが、「4敗」に対する批判は、確実に火種として燻っている。だからこそ絶対に優勝という結果を出さなければならない。5年連続のV逸となれば球団史上ワーストになる。6月末に新外国人投手としてデラロサ、トレードで日本ハムから鍵谷陽平、藤岡貴裕、楽天から古川侑利を獲得したのは、原巨人の“意気込み”であり、“焦り”でもある。たとえ大型補強で「1勝」のみに終わっても、優勝すれば「成功」だったと言い張っても許されるだろう。