常に一触即発! 昔の巨人vsヤクルト戦の“バチバチ感”が凄い

2019/07/06 16:00

 遺恨対決の様相を帯びてきた両チームは、翌94年5月11日にも乱闘を繰り広げる。

 2回、西村龍次が村田真一の頭部にぶつけ、負傷退場させたことがきっかけだった。

 3回、その西村が打席に立つと、木田の投球が左腰を直撃。状況的に報復と思われても仕方がなかった。

 そして、0対4の7回、巨人は1死後、グラッデンが西村の2球目、内角高めのブラッシュボールにヘルメットを飛ばしながらのけぞった。激昂したグラッデンがマウンドに向かおうとすると、背後から捕手・中西親志が制止しようとして、もみ合いになった。

 グラッデンの右アッパーが中西の左目に繰り出され、マスクが吹き飛ぶ。たちまち両軍ナインが集まり、バトルや罵り合いが繰り広げられ、落合博満も乱闘の輪の中から秦真司を引っ張り出すなど、さしづめラグビーのモールのような状態に。グラッデンと中西は暴力行為、西村は危険球で退場となった。

 試合後、野村監督は「木田の1球は故意だ。あれが故意でなければ、故意なんてない」と声を荒げ、長嶋監督も「そりゃ、そこにいくことだってあります。目には目をです。ただし、頭はいけない。即刻退場にしないから、遺恨を残すんです」と反論。「目には目を」発言は後に物議を醸した。

 事態を重くみたセ・リーグは同13日に緊急理事会を開催。危険球の適用について、新たに「故意・過失を問わず頭部に死球を与えた投手は退場」のアグリーメントが設けられた。

 まさに危険球のルールを変えた5・11だった。

●プロフィール
久保田龍雄
1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。最新刊は電子書籍「プロ野球B級ニュース事件簿2018」上・下巻(野球文明叢書)。

1 2 3

あわせて読みたい

  • 乱闘では“別人”に豹変…見た目と違い、意外と「武闘派」だった選手&監督たち

    乱闘では“別人”に豹変…見た目と違い、意外と「武闘派」だった選手&監督たち

    dot.

    6/12

    HR後に“はしゃぎすぎ”で報復死球…NPBで不文律を破り報復された選手たち

    HR後に“はしゃぎすぎ”で報復死球…NPBで不文律を破り報復された選手たち

    dot.

    9/1

  • 危険な球を投げて“逆ギレ”した投手たち 「乱闘、見たいか?」と前代未聞の行動も

    危険な球を投げて“逆ギレ”した投手たち 「乱闘、見たいか?」と前代未聞の行動も

    dot.

    6/18

    中日・星野監督は「人生初の退場」のキッカケに かつて頻発していた“二塁上の揉め事”

    中日・星野監督は「人生初の退場」のキッカケに かつて頻発していた“二塁上の揉め事”

    dot.

    6/12

  • 日本人選手はあ然? 助っ人同士が繰り広げた「大喧嘩」列伝

    日本人選手はあ然? 助っ人同士が繰り広げた「大喧嘩」列伝

    dot.

    10/10

別の視点で考える

特集をすべて見る

この人と一緒に考える

コラムをすべて見る

カテゴリから探す