NFLを代表するスター選手のトム・ブレイディ (c)朝日新聞社
NFLを代表するスター選手のトム・ブレイディ (c)朝日新聞社

 昨年6月にメジャーリーグのアスレチックスから1巡目(全体9位)指名を受けていたオクラホマ大のカイラー・マレーが、今年4月に行われたアメリカンフットボールNFLのドラフト会議で、カージナルスから全体1位指名されたことが大きな話題となった。

 日本ではエンゼルスの大谷翔平が、投手と野手の“二刀流”で有名だが、それはあくまで同じスポーツでのこと。米国では、マレーのように野球とアメフトといった違う競技に取り組む“二刀流”は当たり前のように行われている。

 過去にはボー・ジャクソンという選手が、野球、そしてアメフトでも一流まで登りつめた例もある。また、バスケットボールの神様マイケル・ジョーダンも成功とはならなかったが、一時は本業を休み、メジャーリーグに挑戦するなど、アメリカは“マルチスポーツ”が広く受け入れられている国である。

 とはいえ、複数競技にまたがった“二刀流”を高いレベル行うのは過去の事例も含め、かなりレアなこと。だが、誰もが「あの選手がもしあの競技をやっていたら……」とふと思うことはあるだろう。そして、「野球で通用しそうなアスリートは?」という素朴な質問をメジャーリーグ公式サイト『MLB.com』は、メジャーリーガーたちにぶつけている。果たして、どんな選手が選ばれたのだろうか……。

 1位に選ばれたのは、NFLのオデル・ベッカム(ブラウンズ)。アメフト界を代表するワイドレシーバーのベッカムは、高校時代はほとんど野球をプレーしていなかったとのこと。だが、2015年に行われたチャリティイベントでソフトボールをプレーした際には見事な動きを見せ、大谷がプレーするエンゼルスやヤンキースの本拠地を訪問した際には、柵越えの当たりを披露している。

 MLBを代表する左腕のデビット・プライス(レッドソックス)は、「ホームランを何本か打てるだろうね。素晴らしいアスリートだし、野球でもその能力を発揮してくれるのは間違いないと思うよ」とベッカムの運動能力を高く評価。その他にも「彼のスイングを何度か見たことがあるけど、とても感銘を受けたよ。稀有なアスリートだね」との声も上がっているように、打撃を見たプレイヤーはその才能にほれ込んだようだ。

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その他で選ばれたアスリートは?