18歳になったばかりの久保は確かにフィジカル面では成長途上だが、ボールを持つ姿勢が良く、体の使い方が柔軟であるため、まともなボディコンタクトを受けにくい特性がある。また、ボールをコントロールする場合に軸足を接地する時間が短く、足元から体ごと刈るようなタックルにも強い選手だ。それでも「危険かどうかを判断しつつ、ケガだけは気を付けながら、最大限のプレーは出していければ」と展望する。

 もちろん、3バックの中心を担うと予想される冨安健洋や板倉滉、立田悠悟といった日本人としては恵まれたサイズを持つディフェンスの選手たちも身体能力だけに頼らない厳しい球際へのアタック、それでいて危険な位置でFKやPKを与えないクレバーさが求められる試合になりそうだ。(文・河治良幸)

○河治良幸(かわじ・よしゆき)サッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』の創刊に携わり、現在は日本代表を担当。セガのサッカーゲーム『WCCF』選手カードデータを担当。著書は『サッカー番狂わせ完全読本 ジャイアントキリングはキセキじゃない』(東邦出版)、『勝負のスイッチ』(白夜書房)、『サッカーの見方が180度変わる データ進化論』(ソル・メディア)など。Jリーグから欧州リーグ、代表戦まで、プレー分析を軸にワールドサッカーの潮流を見守る。NHKスペシャル『ミラクルボディー』の「スペイン代表 世界最強の"天才能"」に監修として参加。8月21日に『解説者のコトバを知れば サッカーの観かたが解る』(内外出版社)を刊行