デュエル力が試されるかもしれない久保建英 (c)朝日新聞社
デュエル力が試されるかもしれない久保建英 (c)朝日新聞社

 森保一監督が率いる日本代表は現地時間6月17日にチリ代表と対戦する。2015年の自国開催、コパ100周年を記念して米国で開催された2016年のセンテナリオと2連覇中の“南米王者”であるとともに、南米でも特に対人の当たりが強いチームとして定評がある。

 マルセロ・ビエルサが率いて以来、ホルヘ・サンパオリ、フアン・アントニオ・ピッツィとハードワークをベースに攻撃的なサッカーを展開してきたチリは、経験豊富なコロンビア人レイナルド・ルエダ監督のもとで攻守のバランスを整えている感はある。さらに主力の平均年齢が高くなっていることも指摘されるが、こと局面のデュエルや球際の競り合いにかけてはウルグアイやコロンビアをも凌駕する迫力と厳しさがある。

 そうした相手にも怯まずにチャレンジしていけるかどうかは森保監督もU-22がベースの若いチームに期待しているところで、まずは果敢に勝負を挑み、経験は後から付いてくるものだと認識している。そうした戦いで頼りになるのは植田直通や柴崎岳といった経験があり、タフな国際経験を積んでいる選手たちだが、チリ戦の出場が予想されるU-22世代の選手にもデュエルに絶対の自信を持ち、チリのような相手だからこそ挑みたいと手ぐすね引いている選手がいる。

 その筆頭とも言えるのが湘南ベルマーレの杉岡大暉だ。“湘南魂”とも評されるハードワークと厳しさを押し出すスタイルでJリーグを戦うチーム期待の星であり、曹貴裁監督からは「チャレンジしてこい」と力強く背中を押されたという。ポーランドで行われたU-20ワールドカップでは同じ湘南の齊藤未月が影山雅永監督から“野生の虎”と例えられるほどの激しいプレーでキャプテンとしてチームを支えた。その齊藤はボランチ、杉岡は左ウィングバックという違いはあるが、チリのお株を奪うようなガツガツしたプレーを発揮して、対峙するマウリシオ・イスラを押し込めれば、日本に勢いが生まれる。

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