豊島岡学園高校の合格発表=2017年 (c)朝日新聞社
豊島岡学園高校の合格発表=2017年 (c)朝日新聞社

 平成最後の首都圏中学入試が2月1日、ピークを迎えている。一部の教育熱心な層だけの関心事だった中学受験も、いまや首都圏では5人に1人が挑む時代になった。今年受験を迎えた子を持つ親世代は、ちょうど平成になった頃の小中学生。偏差値表を見て、当時の学校の並びとの違いに驚くことも多いかもしれない。平成の30年で勢力図を塗り替えたものとは――。

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■進学校=別学を変えた共学進学校の誕生

 中学受験の動向に詳しい森上教育研究所代表の森上展安さんは、この30年の大きな変化として「当時の難関私学は男子校と女子校しかなかったが、共学の進学校ができた」ことを挙げる。

 東京学芸大附属や筑波大附属など都内の国立しかなかった共学進学校だが、私学として成功したのが渋谷教育学園幕張(千葉)、渋谷教育学園渋谷(東京)だ。

 渋幕、渋渋として知られる姉妹校は、大手進学塾の四谷大塚や日能研が公開している偏差値ではともに女子が最難関。男子も筑波大附属駒場(東京)、開成(東京)に迫る難易度に。

 渋幕は昭和58年に高校が開校。一昨年は78人の東大合格者を出すなど、合格者数ランキングではトップ10の常連となり、昨年の合格者数は東大48人、京大13人、一橋14人、東工大12人、国公立医学部計46人だった(卒業生372人)。

 一方、渋渋の前身は渋谷女子高。“渋女”といえば、おしゃれなグレーの制服に渋谷と原宿の間という完璧な立地、アラフォー世代にとってはコギャルの代表校的存在で、その華麗な変身には驚くはず。

 同校は平成8年に改組し共学の渋谷教育学園渋谷となり、昨年の大学合格実績は東大25人、京大5人、一橋11人、東工大5人、国公立医学部計10人。激戦区の都心で屈指の進学校へ変貌した背景を森上さんはこう語る。

「渋渋には渋幕という成功例があった。渋幕も最初は偏差値50足らずだったが、渋渋ができる頃には60くらいまで上がっており信頼感があった。ここまで上がったのは、都内に共学進学校が少なく共学志向が強まった女子につられて男子も動いたからでしょう」

 女子の共学人気と進学熱が押し上げた結果と見ている。

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大化けしたのは?