0円タクシー外観(C)朝日新聞社
0円タクシー外観(C)朝日新聞社
降車後アプリに表示された会計画面(※画像の一部を加工しています)
降車後アプリに表示された会計画面(※画像の一部を加工しています)
降車時に手渡されたカード(撮影/福井しほ)
降車時に手渡されたカード(撮影/福井しほ)

 タクシーはお金に余裕のある人が乗るものだと思っていたのに、ついに「0円タクシー」なるものが登場した。まさか無料の時代がやってくるなんて。

【画像】会計画面はもちろん0円、降車時にこんなカードも…

「タダならタクシーに乗ってみたい!」

 そう思い立って、意気揚々とタクシー配車アプリ「MOV(タクベル)」をインストールした。登録に最低限必要なのは名前、性別、生年月日、電話番号の4つのみ。しかも、名前はひらがなでOKという“ゆるさ”が今っぽい。

 0円の仕組みはこうだ。「MOV」とスポンサー企業が提携し、タクシー会社にお金を支払う。スポンサーはタクシーをラッピングしたり、車内で自社商品のCMを流せるので宣伝効果が見込める。この三者間で契約が成立するため、乗客はタダで乗ることができるのだ。

 スポンサー第一弾には日清食品株式会社が名乗りを上げた。5日から31日まで「どん兵衛」仕様のタクシー50台が都内を走り回る。実施時間は朝7時から夜10時までで、配車可能なのは渋谷区、新宿区、港区、中央区、千代田区近辺と限られてはいるが、東京23区内であればどこまででも無料で連れていってくれる。

■いざ“ゼロタク”を狙うも、最初の壁が……

 配車可能区域であることを確かめ、さっそく位置情報を設定してピンを合わせると、近くを走るタクシー情報が表示された。0円タクシーが近くにいる場合、「どん兵衛マーク」の車が現れるようだが、表示されるのは普通の車アイコンのみ。目を皿のようにして探しても、エリアを広げて見ても、どん兵衛は見当たらない。限定50台のハードルを感じながら、しつこく10分ほどタップを繰り返すと、「0円タクシー」が現れた!

 慌てて予約し、乗車指定した場所へと向かう。程なくして、アプリに「後6分で到着」の文字が表示された。その間に目的地を入力し、待つこと数分。赤い車体に「どん兵衛」の行灯を付けたタクシーがやってきた。車体には「どん兵衛 天ぷらそば」の写真に「ツキを招く月見そば」のコピーが入っていた。70代くらいだろうか、物腰柔らかな男性運転手と名前の確認をし、0円タクシーの旅が始まった。

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福井しほ

福井しほ

大阪生まれ、大阪育ち。

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