報道によると、これまでドジャース、ヤンキース、レッドソックス、パドレスなど多くのチームが獲得に興味を示している。来月12月3日に菊池のポスティングの申請がされることが決まると、現地の野球専門サイト『MLB TRADE RUMORS』は菊池を特集した記事を掲載した。「多くのチームが先発ローテーションに加える投手の獲得を目指していること、(FA市場に)トップクラスの人材が不足していること、さらに左投手であることを考えると、菊池との契約は争奪戦になるだろう」と予想している。

 同サイトの記事には、読者のコメントも掲載されており、ファンからはさまざまな意見が投稿されている。例えば「ヤンキースのファンだけど、ぜひヤンキースは菊池と契約してほしいと思う。でも、彼はカーショー(ドジャースのエース左腕)の大ファンらしいね。ドジャースに行かないか心配だよ」といった意見や、「ジャイアンツは本気で獲りにいくべきだ。(ジャイアンツの地元の)サンフランシスコは、住むにはとても心地のよい場所だと思う。さらに、来季はチームへの期待も少なく、プレッシャーなくプレーできるし」と、日本人左腕の加入を歓迎する声も多く寄せられていた。

 一方、日本人投手の獲得で“失敗”した過去も持つチームのファンからは、ネガティブな意見も……。ヤンキースファンは、かつて鳴り物入りで加入したものの、メジャー通算でわずか2勝に終わった左腕がどうしても頭をよぎるようで、「やめてくれ……彼は“ケイ・イガワVer.2.0”のようだ」とコメントしていた。以前に大型契約を結び、活躍できなかった井川慶投手の“トラウマ”が再び蘇ったようだ。

 また、「伊良部、松坂、井川、そして田中、ダルビッシュは程度の違いはあれ、期待に見合った活躍ができていない。野茂を除いてはね。彼らは全員、能力不足か、大きなケガでダメになってしまった」と、日本人投手が渡米後に大きなケガが見つかり、大型契約にふさわしい働きができていない点を懸念するファンもいた。

 これまで井川を含め、石井一久(ドジャースなど)、和田毅(オリオールズなど)ら日本人の先発左腕がメジャーに挑戦した例は決して多くない。高校時代からメジャーへの憧れを語り、選手としても円熟期を迎える菊池が「日本人サウスポー」として、躍動する姿に期待したい。(文・石原幸晶)