スクールファッションの販売を手がけ、数多くのドラマや映画、CMにも衣装を提供している『CONOMi』の相浦孝行社長によると、最近は紺やグレーなどのベーシック回帰になってきているそうだが、「5年くらい前まで品女は圧倒的に人気だった」と話す。30年近く経ても不動の人気は、殿堂入りの一着と言えそう。


 
 品川女子学院ほどではないが明治学院を推す声も。1991年に共学化すると、大学附属+ミッション系+白金台立地で大人気に。合格基準偏差値の初期設定もえらく高かった。当時まさに受験生だった私も確かに「かわいい」と思った。が、今では量産型デザインの一つにしか見えない。ところが、女子高生に言わせると「ザJKって感じ」、「リボンの色がいい。ニットに入っているラインもオシャレ」、「色合いが独特」。…JKの視界は独特。

■絶滅寸前のジャンパースカートは女子最難関校が守る

 モデルチェンジの荒波の中で活躍の場を失うものも。昭和の最大勢力だったジャンパースカートは絶滅寸前に。年に1度、夏の甲子園開会式のプラカード嬢で見かけるくらいになってしまった。

 進学校として女子校の頂点に君臨する桜陰もジャンパースカート。着用難易度がとてつもなく高い制服だが、在校生からは、「あんまり人気ない…ブレザーに憧れる」というか細い声が…。

 セーラー服も現役女子高生から「1度は着てみたい!」の憧れを集めながら、現実世界では激減。頌栄も品川女子も旧モデルはセーラーだった。『CONOMi』原宿店でもセーラー服は広い店内でワンコーナーだけ。森さんは衰退理由に「温度調節の難しさ」に加え、「女子高生というブランドをアピールしやすい、エンブレム付きのブレザーにチェックのミニスカートというテンプレスタイルから外れた」ことを挙げる。

 それでも、品女と渋女の2強に食い込む人気を誇っていた東京女学館の白いセーラー服は、老若男女に変わらず支持される逸品。セーラー服は女子御三家の雙葉や、お嬢様学校の代名詞的な白百合に東洋英和、学習院と名門女子校が多い。森さんも「セーラー服で変えるべき学校は変えている。進学校、名門校はもともと制服で生徒を呼ぶような学校じゃない」と生き残りに太鼓判を押す。これは伝統ゆえのジャンパースカートにも言えそうだ。(文/小林幸帆)