別れさせ屋を使いたいと話す妻の盲点とは?(※写真はイメージ)
別れさせ屋を使いたいと話す妻の盲点とは?(※写真はイメージ)

 別れさせ屋の行為は公序良俗に反しない――。そんな控訴審判決が話題になった。カップルカウンセラーの西澤寿樹さんが夫婦間で起きがちな問題を紐解く本連載、今回は「別れさせ屋の落とし穴」をテーマに解説する。

*  *  *

 先日、「別れさせ屋」に関する裁判の判決があったとニュースで報じていました。ニュースによれば、依頼者の男性(Aさん)は、元交際相手(Bさん)とよりを戻すために、Bさんが今付き合っている男性(Cさん)と別れさせるよう別れさせ屋に依頼。別れさせ屋は女性の工作員が、何回か男性Cさんと食事したのちに、BさんとCさんがデートしているところに鉢合わせして、BさんにCさんと何度か食事したことを告げ、二人の関係を破綻させたというものです。

 もちろん、プロの技が色々あるのでしょうけど、こんなに思い通りに事が運ぶのだとしたら、びっくりです。ニュースによれば着手金が80万で成功報酬が40万ということなので、探偵としてもうまくいく確率はそんなに高くないと踏んでいたのかもしれません。

 もっとも、探偵はうまく仕事をしましたが、こんなことがばれてしまった以上、「別れさせ屋を使ってまで私と付き合いたかったのね。私そんなに思われて幸せ。やっぱりあなたしかいないわ」という落ちにはならなかったのではないかとも思います。

 夫婦のトラブルに探偵の話はよくお聞きします。まさに別れさせ屋を使おうか考えている、という方もいらっしゃいました。

 2人の母である登美子さん(仮名、43歳、ITエンジニア)は、夫(53、コンサルタント)の挙動がおかしいことに気づき、問い詰めました。

 最初は否定していた夫ですが、いくつか状況証拠を突きつけると、最後には認めました。そして、「もう会わない」と約束してくれたので、登美子さんも矛を収め、元の生活に戻りました。

 しかし、やはり何かおかしい、と感じ、また夫の身の回りを調べると、まだ関係が続いているようでした。

著者プロフィールを見る
西澤寿樹

西澤寿樹

西澤寿樹(にしざわ・としき)/1964年、長野県生まれ。臨床心理士、カウンセラー。女性と夫婦のためのカウンセリングルーム「@はあと・くりにっく」(東京・渋谷)で多くのカップルから相談を受ける。経営者、医療関係者、アーティスト等のクライアントを多く抱える。 慶應義塾大学経営管理研究科修士課程修了、青山学院大学大学院文学研究科心理学専攻博士後期課程単位取得退学。戦略コンサルティング会社、証券会社勤務を経て現職

西澤寿樹の記事一覧はこちら
次のページ
土下座で謝る夫… 何百万も貢いだ女性とは?