経済効果は4372億円もあるのに…ラグビーW杯の日本開催まで「あと一年」、どうしたら盛り上がるのか? (3/3) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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経済効果は4372億円もあるのに…ラグビーW杯の日本開催まで「あと一年」、どうしたら盛り上がるのか?

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ラグビー日本代表のジョセフHC (c)朝日新聞社

ラグビー日本代表のジョセフHC (c)朝日新聞社

 そうなると、やはり頼りは日本代表の活躍だ。目覚ましい戦績で一度世間の目をひけば、テレビを中心としたメディアが「スター選手」を設定し、集中的に報道することでさらに盛り上げてくれる。ワールドカップ2015では、ゴールキックの際の特徴的なルーチンが話題となったFB五郎丸歩(ヤマハ発動機ジュビロ)がそうだった。

 2019年に向けて注目を集めそうな選手の一人が、SOという司令塔のポジションを担う田村。2015年は五郎丸が務めたゴールキッカーも務めている。前回大会では五郎丸の陰に隠れていたが、実は以前から正確なキッカー。キックパスの精度も高く、五郎丸を上回るキックの名手だ。さらに、視野が広く、スペースにボールを放つセンスも抜群。ジョーンズ氏が2012年に最初に選んだ日本代表に抜擢されると、その後もずっと呼ばれ続けたタレントだ。

 一方、ジョセフ現ヘッドコーチの目に叶った若手がFWのナンバー8などでプレーする24歳の姫野和樹(トヨタ自動車ヴェルブリッツ)だ。昨年、強豪のトヨタ自動車加入1年目でキャプテンを任され、同年11月のオーストラリア代表戦で日本代表に初選出。過去ワールドカップを二度制覇している相手から力づくのトライを奪い、その後、すっかり代表に定着した。

 田村や姫野ら日本代表選手が輝く絶好の機会が、今年秋にある。11月3日のニュージーランド代表オールブラックス戦だ。ニュージーランドは2011年、2015年のワールドカップを連覇し、今年7月のワールドカップ・セブンズ(7人制ラグビーのワールドカップ)でも2大会連続優勝と、圧倒的な強さを誇るラグビー王国。スポーツファンなら、世界のラグビーの勢力図には疎くても、試合前にハカと呼ばれる戦いの踊りを披露する黒衣のチームの存在ぐらいは知っているはず。こういう一般の人にも価値が分かりやすい相手との試合、しかも、海外ではなく国内の試合で結果を出すことが、競技への注目度アップに直結する。

 さすがに、オーストラリアや南アフリカでも勝てないオールブラックス相手では……などと思ったら、勝負には絶対に勝てない。南アフリカを破ったジョーンズ氏も、リオでニュージーランドに勝ったセブンズ日本代表の瀬川智広ヘッドコーチも、勝つことを信じて本気の準備をしたことで世界のラグビー史に残る大番狂わせを実現した。

 秋の国際試合シーズンに向けた準備のため、国内最高峰の大会であるトップリーグは、最終節に代表選手を出場させない。日本にもようやくラグビー界を挙げて代表を応援する態勢ができてきた。日本代表には、来年のワールドカップに向けて社会を盛り上げるためにも、素晴らしい試合が求められる。


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