人気急上昇中のプラス・マイナスの岩橋(右)(写真:よしもと提供)
人気急上昇中のプラス・マイナスの岩橋(右)(写真:よしもと提供)
浜田雅功夫妻が「プラス・マイナス」岩橋の結婚式に送った花(写真:筆者提供)
浜田雅功夫妻が「プラス・マイナス」岩橋の結婚式に送った花(写真:筆者提供)
中西正男(なかにし・まさお)/芸能記者。1974年、大阪府生まれ。立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当として、故桂米朝さんのインタビューなどお笑いを中心に取材にあたる。取材を通じて若手からベテランまで広く芸人との付き合いがある。2012年に同社を退社し、井上公造氏の事務所「KOZOクリエイターズ」に所属。「おはよう朝日です」(ABCテレビ)、「バイキング」(フジテレビ)などに出演中
中西正男(なかにし・まさお)/芸能記者。1974年、大阪府生まれ。立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当として、故桂米朝さんのインタビューなどお笑いを中心に取材にあたる。取材を通じて若手からベテランまで広く芸人との付き合いがある。2012年に同社を退社し、井上公造氏の事務所「KOZOクリエイターズ」に所属。「おはよう朝日です」(ABCテレビ)、「バイキング」(フジテレビ)などに出演中

 現在オーディションが行われている、吉本興業の所属タレントによるアイドルユニット「吉本坂46」。5次審査のダンス審査までが終わり、あとはプロデューサー・秋元康氏の最終面接を経て、20日に合格者が発表される。現時点で野沢直子、「ココリコ」遠藤章造、「トレンディエンジェル」斎藤司ら80人が残っているが、その中でも異彩を放っているのが漫才コンビ「プラス・マイナス」の岩橋良昌だ。

【写真】浜田雅功が岩橋におくった贈り物とは

 番組企画で何時間もかけて並べたドミノを蹴り倒してしまう。トーク番組で先輩芸人がオチを話そうとした瞬間に奇声を上げる。漫才ではツッコミなのに相方がボケてもつっこまない…。“やってはいけないことをやってしまうクセ”を持つ芸人として地元・関西を中心に話題にもなったが、今年は日清の「カップヌードルナイス」のCMにも出演。「吉本坂46」でも最終選考まで残り、今、注目度が急上昇している。

「プラス・マイナス」は6年前に大阪を離れ、東京に拠点を移した。岩橋とは大阪時代から付き合いが深いが、取材メモを見てみると、最初にクセを意識したのは小学2年の時だったという。

「突然、授業中に『ウワーッ!』と叫びたくなったんです。思いが抑えきれなくなって、実際に声をあげた。当然、先生から注意を受けました。ただ、そこで『次、言ったらもっと怒られる。でも、でも、言いたい…』という思いがこみ上げてきたんです。それがクセを初めて実感した時でした」

 それからも“テストの時に鉛筆の芯を全部折る”“解答用紙に違う名前を書く”“マークシートを『悪い例』の塗り方で塗っていく”などクセが学校生活のあらゆるところに出て苦労をしてきた。テスト、受験。大切なところでこそ、クセが出てしまう。本当に悩んだ。芸人になってからも、相方の兼光貴史にすらクセのことは隠してきたが、転機となったのは十数年前。デビュー3~4年の時だった。

「同期の『ジャルジャル』のイベントがあって、そこでもクセが出て、ちゃんとしゃべらないといけないのに、誰が聞いてもウソやと分かるような話をしてしまったんです。そこで『ジャルジャル』が『絶対ウソやろ!どんな顔で聞いたらエエねん!』と突っ込んでくれたら、会場がドーンと沸いたんです。その瞬間、衝撃が走ったと言いますか。今まで絶対に表に出さなかったものが爆笑に変わった。『これは、出してもいいものなのか…』と。初めての感情でした」

 そこからMBSテレビ「オールザッツ漫才」やABCテレビ「ごきげん!ブランニュ」など関西の番組でクセありきの企画も次々に生まれ、ひた隠しにしてきたクセが大きな武器になった。

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中西正男

中西正男

芸能記者。1974年、大阪府生まれ。立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当として、故桂米朝さんのインタビューなどお笑いを中心に取材にあたる。取材を通じて若手からベテランまで広く芸人との付き合いがある。2012年に同社を退社し、井上公造氏の事務所「KOZOクリエイターズ」に所属。「上沼・高田のクギズケ!」「す・またん!」(読売テレビ)、「キャッチ!」(中京テレビ)、「旬感LIVE とれたてっ!」(関西テレビ)、「松井愛のすこ~し愛して♡」(MBSラジオ)、「ウラのウラまで浦川です」(ABCラジオ)などに出演中。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

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