「隠して、隠して、何なら死んでしまいたいくらいイヤだったクセを武器にできる。こんな流れを作ってくださった相方はもちろん、浜田さんや周りの方々とお笑いの世界に、ただただ、感謝するしかないです」

 実際、岩橋と浜田のつながりの深さを痛感したのが2014年6月29日。岩橋がホテル日航大阪で結婚式を挙げた時だった。

 結婚式の少し前に「フライデー」で浜田に不倫騒動が持ち上がった。妻の小川菜摘がすぐさまブログで「(浜田は)意気消沈ゴリラになっています。そんな彼を、私たちは変わらず笑顔で支えていこうと思っています!」と懐の深い対応を見せたことも話題になったが、新郎から招かれて結婚式に出席して驚いた。

 会場に大きな人だかりができていたのだが、そこにあったのは大きな真っ赤なバラの祝い花。贈り主の名前として「浜田雅功・小川菜摘」の文字があった。ある意味、夫婦の動向が一番注目されているところで、この祝い花。当時、最も旬な夫婦が半分自虐ネタのようなトーンもまぶしつつ、遊び心を乗っけた上で、後輩の晴れの日を祝う。わが身を削ってでも、このしゃれっ気たっぷりの祝いを浜田がやってあげようと思うくらい、岩橋への思いは強いんだということを祝い花を通じて痛感した思いがした。

 ちなみに、僕が個人的に聞いて忘れられないクセもある。

「映画『トータル・リコール』で、登場人物の顔が真ん中から割れていくシーンがあるんですけど、あれをやろうとしちゃうんです(笑)。意味分かりませんわね…。仕事でプレッシャーがかかると、あれをイメージをして、鼻の真ん中の部分に爪を当てて、グイッと力を入れる。そして、顔を半分に割りにかかるんです。当然、割れないんですけど、鼻が赤くなるくらい、それをやってしまうというクセです。もし、鼻に爪痕が残っていたら『落ち着きなさい』と声をかけてもらえたらうれしいです(笑)」

 オンリーワンを地で行く岩橋がアイドルというまさかの肩書をゲットし、クセの魅力を全国に振りまくことになるのか。20日の発表が待たれる。(芸能記者・中西正男)

著者プロフィールを見る
中西正男

中西正男

芸能記者。1974年、大阪府生まれ。立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当として、故桂米朝さんのインタビューなどお笑いを中心に取材にあたる。取材を通じて若手からベテランまで広く芸人との付き合いがある。2012年に同社を退社し、井上公造氏の事務所「KOZOクリエイターズ」に所属。「上沼・高田のクギズケ!」「す・またん!」(読売テレビ)、「キャッチ!」(中京テレビ)、「旬感LIVE とれたてっ!」(関西テレビ)、「松井愛のすこ~し愛して♡」(MBSラジオ)、「ウラのウラまで浦川です」(ABCラジオ)などに出演中。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

中西正男の記事一覧はこちら