古賀茂明「安倍総理の取巻きと問題を起こした官僚が考えた公文書管理の見直しの愚」 (2/6) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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古賀茂明「安倍総理の取巻きと問題を起こした官僚が考えた公文書管理の見直しの愚」

連載「政官財の罪と罰」

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著者:古賀茂明(こが・しげあき)/1955年、長崎県生まれ。東京大学法学部卒業後、旧通産省(経済産業省)入省。国家公務員制度改革推進本部審議官、中小企業庁経営支援部長などを経て2011年退官、改革派官僚で「改革はするが戦争はしない」フォーラム4提唱者。元報道ステーションコメンテーター。最新刊『日本中枢の狂謀』(講談社)、『国家の共謀』(角川新書)。「シナプス 古賀茂明サロン」主催

著者:古賀茂明(こが・しげあき)/1955年、長崎県生まれ。東京大学法学部卒業後、旧通産省(経済産業省)入省。国家公務員制度改革推進本部審議官、中小企業庁経営支援部長などを経て2011年退官、改革派官僚で「改革はするが戦争はしない」フォーラム4提唱者。元報道ステーションコメンテーター。最新刊『日本中枢の狂謀』(講談社)、『国家の共謀』(角川新書)。「シナプス 古賀茂明サロン」主催

安倍晋三首相 (c)朝日新聞社

安倍晋三首相 (c)朝日新聞社

秘書官:この際、文書管理の在り方を徹底的に見直す必要があります。できの悪い官僚が、法律に書いてあるからと言って、総理に悪影響を与える情報を出すなんてことがないようにしなければなりません。

 つまり、今回の一連の改正では、どうやって、秘密を守るかということ、そして、都合の悪い情報をどうやって公開対象となる公文書から外すかが最大の目標になっていたのだ。

■「行政文書」の定義の抜け道

 今回の議論の最大の特色は、いかに都合の悪い情報を隠すかを体系的に再確認する作業だったということだ。

 元々、日本の情報公開の仕組みには、本質的な欠陥があって、法律には美辞麗句が並ぶが、実際は抜け穴だらけだ。これまで、官僚たちは、その抜け穴を使って、「ヤバイ」情報はほとんど公開せずにやってきた。

 例えば、公文書管理や情報公開のことがしっかり頭に入っている官僚たちの会話では、こんなやり取りが行われる。

係長:今日の内閣府との会議の様子は課長に報告しておいた方がいいですよね。

課長補佐:そうだね。総理案件という言葉が出た時は驚いたな。あそこまではっきり言うなんて、あの補佐は、脇が甘いよな。でも、相当切羽詰まった感じだったね。これは、重要な話だから、正確に伝えた方がいいだろうな。遅くなっちゃって申し訳ないけど、今晩中にメモを用意しておいてくれるかな。明日の朝一で報告しておくよ。

係長:もし、急ぐようでしたら、課長にメールしておきましょうか?

課長補佐:いや、それだと跡が残るからな。作ったらコピーを僕の机の上に封筒に入れて置いておいてもらえるかな。明日は遅く出勤してもらってもいいよ。

係長:そうでしたね。これはあくまで、私の個人メモ。一人しか見たことがないという建前ですもんね。

課長補佐:うん。保存は、君のUSBで頼むよ。役所のサーバーには入れられないからな。わかっているとは思うけど。

係長:もちろんです! 僕は最近、こういうのは自分のパソコンで打ってますから。と言っても、プリンターは役所の使っちゃってますから微妙ではありますけど。まあ、任せてください。

 これくらい注意深ければ、官僚としては優等生と言っていいだろう。

 この話を法律的に見ると、行政文書とは何かという「定義」の問題になる。公文書管理法第2条第4項に行政文書の定義があるのだが、技術的な書き方で普通の人にはわかりにくいので、簡略化すると、概ねこういうことになる。


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