果たして西野監督は誰をコロンビア戦のスタメンに起用するのか。個人的には次のようなスタメンがベストだと考える。

 GKは中村航輔。川島は直近の試合での失点シーンに衰えを感じるからだ。DFは右から酒井宏、植田、昌子、長友。CBの人選理由については後述したい。ボランチは山口と柴崎岳。長谷部を外したのも後述する。両サイドハーフは右に原口、左に乾。原口は攻守にハードワークができるし、乾はパラグアイ戦でのドリブル突破による仕掛けと2ゴールという結果、さらに前線へのコーチングを評価した。

 そしてトップ下は復調傾向にある香川で、1トップは岡崎が使えないなら武藤というチョイスだ。大迫は裏に抜けるようなプレーより、ポストプレーで攻撃の起点になる。しかしクリスティアン・サパタ(ACミラン)やダビンソン・サンチェス(トッテナム)を相手にどれだけボールを収められるか疑問だ。それならタテへのスピードがある武藤を選択した。

 このスタメンの肝はセンターラインにある。例えばスペイン代表はバルセロナやレアルの選手ら国内組が主力となる。同じことはサッカー大国のドイツも同様だ。しかし日本はここ10年で多くの選手が海外移籍を果たし、日本代表の主力は海外組が務めて来た。

 厳しいポジション争いに置かれている海外組で生き残った選手の経験値は、国内組でレギュラーを保証されている選手とは比べようもない。だからこそザッケローニ元監督もハリルホジッチ前監督も海外組を重用した。

 しかしパラグアイ戦を見て、CB昌子と植田、ボランチ柴崎の守備から攻撃への展開、そして山口から香川や乾へのフィニッシュワークに「意思の疎通を感じた」ものだ。守備陣は鹿島勢のユニット、攻撃陣はC大阪勢のユニットにチーム全体の若返りを図るプランだ。そのことを山口と植田に確認したところ、次のような答えが返ってきた。

 山口いわく、「もちろん2人がいるのは、真司君(香川)とはセレッソでそんなにやってないんですけど、イメージとしては清君(清武弘嗣)がいるようなイメージだから、自分の中ではやりやすいというのはもちろんあります」と3人セットでのプレーを歓迎する。

 そして植田は昌子とのコンビに「やりやすさはありました。日頃から源(昌子)君とやっているし、CBはコミュニケーションが大事だけど、お互い何も言わなくてもコミュニケーションはとれています」と自信をのぞかせる。

 試合前日の会見で西野監督は「スタートからリアクションサッカーで臨みたくはない。彼らのアクション(サッカー)にリアクションするのではなく、我々も十分にボールを保持できるし、攻撃を仕掛けられる自信を持つよう選手を送りだしたい」とゲームプランのイメージを語った。

 続けてコロンビアとのフィジカルの差を対戦相手の記者から問われても「フィジカルの要素は色々あると思いますが、我々にはクイックネス、ボールと連動させていく強みがあると思います。日本人の持っている規律を伴ったプレーをたくさんしたい」と反論しつつ、コロンビア戦への抱負を語った。

 果たして西野監督はどのようなメンバーをピッチに送り出すのか。サプライズを期待しているのは私だけではないだろう。(サッカージャーナリスト・六川亨)