サッカー日本代表の西野朗監督 (c)朝日新聞社
サッカー日本代表の西野朗監督 (c)朝日新聞社

 いよいよ今日19日、日本代表はサランスクのモルドヴィア・アリーナでコロンビアと対戦する。初戦で勝点を落とせば2試合目でW杯と別れを告げなければならない危険もあるため、最低でもドローがグループリーグ突破の条件となる。果たして西野朗監督は、どのようなメンバーとゲームプランでコロンビア戦に臨むのか、練習は初日をのぞいてすべて非公開だったので、これまで選手から聞いた話を基に探ってみたい。

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 西野監督は、就任初戦のガーナ戦(0-2)で「コロンビア対策」として3-4-3を採用した。相手ボールの時は両サイドのMFが下がって5-4-1となるシステムだ。そしてDFラインを高く設定してコンパクトな陣形を保とうとした。しかしこれだとDFラインの背後には広大なスペースができる。

 するとガーナはサイドのスペースにロングパスを出して攻め込んできた。西野監督は試合中に3-5-2と4-4-2のシステムにもトライしたが、選手が頻繁に入れ替わったため攻撃が機能したとは言いがたかった。

 それ以降のスイス戦(0-2)とパラグアイ戦(4-2)では1度も3-4-3にトライしていない。おそらく4-2-3-1と4-4-2の併用になるだろう。この判断は賢明だ。コロンビアの右サイドにはフアン・ギジェルモ・クアドラード(ユベントス)という快足アタッカーがいる。インテル時代に彼と対戦した長友佑都(ガラタサライ)は「スピードお化け」と表現し、「守備はしないで居残っているので、不用意に上がって中途半端なところでボールを失ってはいけない」と警鐘を鳴らす。

 気になる予想スタメンは以下のようになるだろう。GK川島永嗣、DFは右から酒井宏樹、吉田麻也、槙野智章、長友、ボランチが長谷部誠に山口蛍、サイドアタッカーの右が原口元気、左が乾貴士、トップ下が香川真司、そして1トップが大迫勇也という、これまでの実績を重視したメンバーだ。

 スイス戦とパラグアイ戦はゲームのインテンシティ(強度)が比較にならないほど違ったものの、スイス戦でトップ下を務めた本田圭佑はほとんどプレスを仕掛けることができなかった。対してパラグアイ戦の岡崎慎司と香川は左右両サイドの武藤嘉紀、乾と連動して効果的なプレスを仕掛けていた。

 長年やり慣れた2人だけに、意思の疎通もスムーズで、彼らに対しプレスの位置が「高すぎたら(乾や武藤が)声を出してくれるので引く」(香川)と前線と2列目で連動したプレスができていた。

 宇佐美貴史も「パラグアイ戦はコロンビアと同様、ボランチが最終ラインに落ちてボールを回してくる。そこで2人(岡崎と香川)がハメにいってプレスが機能した。しかしスイス戦は3人を迫(大迫)が見る形になってプレスがハマらなかった」と分析している。

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