いじめは水面下に潜み、見えづらくなっている(※イメージ写真)
いじめは水面下に潜み、見えづらくなっている(※イメージ写真)
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LINEの「ステータスメッセージ」イメージ(編集部作成)
LINEの「ステータスメッセージ」イメージ(編集部作成)

 5月、本の県立高校に通う女子生徒(17)が自らの命を絶った。女子生徒の遺書にはいじめをうかがわせる内容があり、写真共有アプリ「インスタグラム」が原因との声もある。また、同月には埼玉県の高校2年生の女子生徒が昨年4月に自殺した事件がツイッターでのいじめがきっかけだと県教委の第三者審議会に認定された。SNSトラブルが増える中、対策を専門家に依頼する学校が増えているという。

【画像】LINEに書き込まれる不穏な「ひとこと」

 インターネット事業を展開する「アディッシュ」(本社・東京)は2007年、業界で初めてのネットパトロール「スクールガーディアン」を開始。当初は学校裏サイトの対策事業としてスタートした。依頼を受けた学校に通う生徒のSNS等をチェックし、投稿内容を報告する。担当者はこういう。

「契約時に学校と定めたキーワードなどで検索して、生徒たちの投稿を見守っています。基本的には月に1度の報告ですが、『いじめ』『自殺』など深刻だと判断した場合はすぐに報告しています」

 2011年頃から契約校が増え始め、いじめ防止対策推進法が施行された2013年からまた増加。今では私学約240校が利用しているという。

 実際にサービスを導入している私立高校の教員は手応えをこう話す。

「うちの生徒が制服で写っている写真をSNSに投稿すると、良い投稿も悪い投稿も全部報告があがります。私服の場合でもうちの生徒だと分かれば、情報が入ります。撮影時間やアップした時間も分かるので、生徒が授業中に禁止されているスマホを使っていれば、証拠になるので指導にも使える」

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 ある公立高校の教員は生徒間のSNSトラブルが絶えないと頭を抱える。

「SNSに関する指導が増えていて、暴言を吐かれたり悪口を晒されたりといったトラブルはしょっちゅうです」

 先日もアプリ「質問箱『Peing』」で問題が起きたばかりだという。質問箱は匿名でメッセージを送れるサービスで、主にツイッターに連携してコミュニケーションをとるアプリだ。

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