辺野古基地建設をめぐって激しく対立する翁長知事(左)と安倍首相 (c)朝日新聞社
辺野古基地建設をめぐって激しく対立する翁長知事(左)と安倍首相 (c)朝日新聞社
ゴルバチョフ氏が沖縄に向けて送ったメッセージ
ゴルバチョフ氏が沖縄に向けて送ったメッセージ
ゴルバチョフ元大統領=2006年撮影 (c)朝日新聞社
ゴルバチョフ元大統領=2006年撮影 (c)朝日新聞社

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移転が争点になっている名護市長選。新聞各紙の情勢調査によると、現職の稲嶺進氏(72)と新顔の渡具知武豊氏(56)が激しく競り合っている。

【書面】ゴルバチョフ氏が送った沖縄へのメッセージ

 基地問題をめぐっては沖縄県と政府が激しく対立し、選挙戦は両者の“代理戦争”の様相だ。新基地建設に反対する翁長雄志沖縄県知事は稲嶺氏、推進したい安倍晋三首相は渡具知氏を支援。どちらが当選するかで辺野古基地建設の行方は大きく変わる。

 そのなかで、冷戦終結という世界史に残る偉業を成し遂げ、ノーベル平和賞を受賞した人物から沖縄の新基地反対派を激励するメッセージが届けられた。旧ソ連のミハイル・ゴルバチョフ元大統領(86)だ。

 自筆のサインが入った書面の中でゴルバチョフ氏は、「オキナワでの軍事基地拡大に対する県民の闘いをこれまでも支持してきたし今後も支持する」と述べた。また、昨年9月にNHKで放送されたドキュメンタリー「沖縄と核」で、米軍が冷戦時代に1300発もの核兵器を沖縄に配備していたと報道されたことを念頭に、「現在もなお、オキナワに(核兵器が)保管されているかも知れないという危惧で私は心を痛めている」とつづった。

 メッセージは1月23日付。激戦が伝えられる名護市長選のまっただ中の公開に、新基地反対派の翁長氏や稲嶺氏をゴルバチョフ氏が応援しているようにもみえる。これについてゴルバチョフ氏の関係者は「メッセージは過去にも発表している。特定の政治家を応援するものではない」と説明する。ただ、「ゴルバチョフ氏は沖縄の政治情勢を理解している。これまでも基地反対派を支持してきた」とも話す。

 1991年のソ連崩壊とともに共産党書記長を退いたゴルバチョフ氏は、後に「ゴルバチョフ基金」を設立。総裁として講演や執筆活動を通じ、一貫して「核兵器廃絶」を訴えてきた。沖縄にはこれまで3度訪問。平和問題だけではなく温暖な気候と美しい海に魅せられ、1999年に67歳で死去したライサ夫人を「沖縄に連れて行きたかった」とよく話しているという。

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ゴルバチョフ氏のメッセージ全文の内容は