書面でも「オキナワは自然・文化・観光資源のほか、地政学的にも恵まれており、世界の人々、文化、貿易が行き交うターミナルとしての環境が整っている」と、平和的な発展を求めている。

 名護市長選は2月4日に投開票される。ゴルバチョフ氏のメッセージは人々の心にどう届くのか。(AERA dot.編集部・西岡千史)

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(ゴルバチョフ氏による沖縄へのメッセージ全文)

 冷戦時代、オキナワに多数配備されていた核兵器に関する情報がNHKの番組等で明らかになったと知ったと同時に、現在もなお、オキナワに保管されているかも知れないという危惧で私は心を痛めている。この問題は県民に真実を公開する必要がある。

 私はこれまで「核兵器の削減」もちろん最終目標としての「核兵器の完全撤廃」および「国際問題に軍事力を使用しない」という点を主張してきた。

 1985年ジュネーブでのソ米首脳会談(私とレーガン大統領)で、“核戦争は一切起こしてはならない”“核戦争下での勝利者はいない”という共同宣言を採択し、世界に発信した。

 こうした観点からオキナワでの軍事基地拡大に対する県民の闘いをこれまでも支持してきたし今後も支持する。

 オキナワは世界に類を見ない豊かな自然と独特な文化を有している。従ってオキナワは軍事基地の島ではなく、人々の島であり続けなければならない。

 オキナワは自然・文化・観光資源のほか、地政学的にも恵まれており、世界の人々、文化、貿易が行き交うターミナルとしての環境が整っていると私は思う。

 オキナワの将来の世代のためにも、この豊かな環境を活用し平和的な発展をめざされることを切に願う。

「戦争の文化から平和への文化の移行が必要だ!」

 今年1月のローマ法王のこの言葉に私は心から賛同する。

ミハイル・ゴルバチョフ
2018年1月23日