香川真司、代表落選の悔しさ胸に…急激に調子を上げてきたワケ

2018/01/29 16:00

ここにきて調子を大きく上げてきている香川真司(写真・Getty images)
ここにきて調子を大きく上げてきている香川真司(写真・Getty images)

 香川真司が急ピッチでペースを上げている。今季は左肩の負傷、チーム不振の影響もあって出遅れていた香川だが、ウィンターブレイクを挟み、公式戦最近7試合で3ゴール4アシストというハイペースで結果を残している。ロシアW杯出場を目指す28歳は、なぜここにきて急激に調子を上げているのだろうか?

 考えられる要因はいくつかある。ひとつ目は経験を重ねた選手としての自覚だ。ドルトムントに所属する選手の平均年齢は25.5歳で、28歳の香川は年長組に入る。在籍年数もチームトップクラスになり、シーズン前に契約を更新したクラブも香川に若手を引っ張る役割を期待した。

 チームは10月半ばから公式戦13試合でわずか1勝しかできない大不振に陥ったが、そのなかで香川は自覚を持ってチームを変えようとしていた。なかなか勝てないことで自信を失ったチームメートたちが消極的になっていくなか、「リスクを負って思い切りやること」を自分の仕事だと自覚して取り組んだ。

 監督交代が与えた影響も少なくない。ピーター・ボス前監督の解任は香川にその責任を感じさせた一方で、新たな監督の下で「やらなければいけない」という想いを強くさせた。その影響もあってか、ペーター・シュテーガー新監督のもとで香川は次々と結果を残した。

 戦術面でも、香川に求められるものは大きくなっていた。シュテーガー監督が守備の安定のためにウイングのポジショニングを低めに取ったことでサイド攻撃の脅威は弱まった。後方からの攻撃の組み立てで中心的な役割を果たす香川だが、チャンスとなればゴール前に入って行くことを徹底している。中央からの攻撃をけん引する香川がやらなければ、チームはゴールを奪えない状況になっているのだ。

 ただ、香川を大きく変えたのは日本代表からの落選だろう。これを境に香川から漂う雰囲気が一変した。代表メンバー発表後に行われた試合後、落選について記者から問われた香川は代表についての想いを語り、それは大きな議論を呼んだ。


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代表落選が転機に

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