だから制作側には「ネットにテレビが食われちゃう」っていう危機感はそんなに無いでしょうね。それよりも、テレビ局じゃなくてもインターネット配信で番組が成立できるなってことを、みんな実感した。お金さえあれば、ですが。

 僕もこれまでAbemaTVとかGYAO!でネットテレビをやってきましたけど、なんだかんだ言っても反響はまだ地上波のほうが大きい。ネットだと配信後にネットニュースになったり、誰かがSNSに書いたりした内容が広がったりして、数日後に反響を感じることはありました。長い間、ジャブが効いている感じ。でも、今回の「72時間」の場合は、直後に、ダイレクトに反響がありましたね。これまでのネットのテレビではなかなか無いことです。

 だから我々タレントよりも、視聴者側のほうが今回の番組に過敏に反応していたんだと思います。みんながちょっと気にしていたってこと。その理由はネットなんかやらなかった元SMAPの3人がネットで生放送をやることが一つと、そのニュースがファンたちが情報交換の場だったネットで広がったことだと思うんです。

 これをきっかけにアプリをダウンロードした人もいると思うし、元々持ってる人は気になってちょこちょこ見たと思うんですよね。普段、Abemaを見ていない人の目をAbemaに向けたっていうのは、すごいことですよね。視聴数7400万人っていう数字も、それだけの人がずっと見ていたわけじゃないけど、たくさんの人が触れたっていうのは本当ですからね。テレビの視聴率とは比較ができないけど、一企業が商売するために必要なデータなんだと思います。

 一方で、「めちゃイケ」が終了するという発表もありました。僕らカンニングというコンビが初めてテレビに出させてもらったのはテレビ朝日の「虎ノ門」で、全国区にしてくれたのは「めちゃイケ」の「笑わず嫌い王決定戦」でした。オンエア翌日から人生が変わりました。あれが無かったら僕らは一般の視聴者の方たちに知られることは無かった。大好きな番組で、自分たちを育ててもらったので、非常に残念で仕方がないんです。

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