それって昔では考えられないじゃないですか。巨人戦っていうとゴールドカードだったから。まあ、本拠地の東京ドームが近くにあるっていう理由も大きいと思いますけど。

 いまはファイターズも楽天もベイスターズも、みんないろんなイベントをやっていて、例えばホークスは「女子高生デー」っていうのもやってるんですよ。外野の指定席をいつもより安くして、ピンクのユニフォームを配って、女子高生だけで応援しましょう! イケメン選手もいますよーって。もちろん球団にお金があるっていうこともあるんだけど、何でこんなことやってるのか球団の人と話したことがあるんですよ。そしたら「女子高生の7割から8割はこの街で結婚して、子どもを産む。ママがホークスファンだったら、子どももホークスファンになって、ホークスという球団が地元に根付く」って。それを聞いて、なるほどと思った。それが地元密着なんですよね。

 もちろんチームが強くなきゃいけないけど、地元が愛する球団になること。僕はそれで良いと思っていて、それがプロスポーツの原点だと思うんですよね。広島は昔からカープだし、東北は楽天、北海道はファイターズ。ファイターズだって本拠地を北海道に移してから、それまで巨人ファンだった人たちを自分たちのファンにしてきたわけです。

 それに、"下克上"してきたベイスターズの勢いもすごいですよね。一番デカいのは横浜スタジアムが元のオーナーたちと話し合って、利権の問題を解決して、周りの土地を活用できるようになったこと。ハマスタの周りってすごいキレイな公園で「もっと活用できたらいい球場になるよな」って、昔からずっと思ってたんですよ。いまはそこでビアガーデンをやったり、屋台を入れてファンが集ってワイワイ楽しめる場所をつくったり。それでファンが増えて、みんな楽しくなるっていう。やっぱりプロの球団って、ファンのために何ができるかがキモだと思うんです。

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