希少性の高い打てる捕手である中村を獲得できたことが最大の評価ポイント。2位以下は高校生の投手を多く指名し、若手投手陣の層を厚くしたい意識が感じられた。全体的に未完成だがスケールのある選手が多く、鍛えて選手を作り上げる広島らしい指名である。ここ数年の課題である左投手は今年も手付かずに終わったが、左右にこだわらず力のあるボールを重視する姿勢も一貫している。

阪神:60点
1位 馬場皐輔(仙台大・投手)
2位 高橋遥人(亜細亜大・投手)
3位 谷敬宥(立教大・内野手)
4位 島田海吏(上武大・外野手)
5位 谷川昌希(九州三菱自動車・投手)
6位 牧丈一郎(啓新・投手)
育成1位 石井将希(上武大・投手)

 清宮、安田尚憲を外して投手の補強に方針転換したが、過去2年間は野手中心だっただけにチームの補強ポイントには合致した。馬場、谷川と二人の即戦力右腕を獲得し、高橋、牧とチームに少ない本格派が加わったことは大きなプラス材料である。手薄なショートに熊谷、スピードのある外野手の人材として島田というのも理解できるが高校生のスケールのある野手は一人でも指名したかった。

ヤクルト:55点
1位 村上宗隆(九州学院・捕手)
2位 大下佑馬(三菱重工広島・投手)
3位 蔵本治孝(岡山商科大・投手)
4位 塩見泰隆(JX‐ENEOS・外野手)
5位 金久保優斗(東海大市原望洋・投手)
6位 宮本丈(奈良学園大・内野手)
7位 松本直樹(西濃運輸・捕手)
8位 沼田拓巳(石川ミリオンスターズ・投手)

 清宮を外して高校生捕手の村上に向かい、チームのスケールを大きくしようという意図は感じられた。手薄なショートと外野手も実力者を獲得し、野手については悪くない指名である。しかし危機的な状況である投手陣については4人を指名したものの、間違いなく即戦力と太鼓判を押せる選手は見当たらない。他の選択肢もあったのではという疑問の残る指名がマイナスポイントとなり低い評価となった。

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