星知弥(ヤクルト)も4月下旬からローテーションを守り続けており、勝ち星は4つにとどまっているが投球回数は浜口を上回る。大学時代から定評のある150キロ超えのストレートで押すピッチングは見ていて気持ちが良く、台所事情の苦しいチームにとっては非常に頼もしい存在だ。

 ルーキー以外では鈴木翔太(中日・4年目)が5勝、中村祐太(広島・4年目)が4勝とローテーションの谷間を埋める存在として戦力になっている。

 野手で存在感を示しているのが大山悠輔阪神)だ。キャンプ、オープン戦では苦しんだが夏場以降出場を増やし、ここまで6本塁打をマーク。9月1日からは4番に座り、翌日には一発も放って見せた。フォローの大きい柔らかさのあるスイングが特長で、高々と打ち上げる打球の軌道には華がある。今年ブレイクした中谷将大とともに、今後も中軸としての活躍が期待されるだろう。

 同じ阪神で忘れてはいけないのが糸原健斗だ。7月に試合中の負傷で戦列を離れたものの、一時はショートのレギュラーを奪うほどの勢いがあった。出塁率は3割5分を超えており、しぶといバッティングが持ち味だ。

 他にルーキー以外では西川龍馬(広島・2年目)、山崎晃大朗(ヤクルト・2年目)、柴田竜拓(DeNA・2年目)もチームに欠かせない存在となっている。

 高校卒のルーキーで目立つのが坂倉将吾(広島)だ。打率.304はウエスタン・リーグ2位で、ウエスタン、イースタンを合わせても打率3割を超えているのはメヒア(広島)と坂倉だけである。捕手だが俊足も持ち合わせており、チーム2位の13盗塁もマーク。二軍でも、高校卒のルーキーでここまでの成績を残せる選手はそう多くはない。将来の打てる正捕手候補として、今後も注目してもらいたい選手である。(文・西尾典文)

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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